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虹色ねり消し

虹色 掌編小説

毎日が憂鬱で沈鬱だ。

気の沈んだ日々が続く、そんなかなで私は芸能にすがるようになっていた。

そしていつの日かそれにのめりこみ過ぎて散財もすることもよくあった。

未来への希望はない、人生設計なんてくそくらい。

今を精一杯楽しめないでどうする?

今我慢して老後に備えるのが正しいのか?

資産運用の紹介動画は数多く存在するが、正直不安を煽るばかりなきがして、こんなことしてもむしろ元本以上のお金は税金分を考えると手に入らないような気がしてならない。

普通に信託の変動率をみれば一目瞭然といったところだ。

こんな単純なことにも気が付けない奴らは結局のところ無能なんだろうなと私は心のどこかで思っていた。

だから挑戦もしなかったし、老後より今って考えてたから貯金もなかった。

未来へ蓄えていながらそれを使い切らないで亡くなったという事例も私はニュースで目にしていた。

そんなことになるくらいなら貯金を築くよりも先に、最大限芸能をはじめとした自分の好きなことに資金を使うほうがいい。

その消費行為こそが経済を回し、推しを伸ばすことにつながるのだからとっても良いことじゃないか。

推しが伸びれば、また新たなコンテンツが更新され、私はそれを見て楽しむ。

クオリティもだんだんと上がってきているし、人気率も初期のチャンネル登録者200人のころに比べると3.4万人と急成長を遂げている。

私もそれに加担しているから、私が伸ばしたといっても過言ではない。

そんな毎日を送っている中で、母親が亡くなった。

当然蓄えがなかったため葬儀どころの話ではなかった。

私は貯金すらしてこなかったことを深く後悔した、自分のためにだけ生きてきたことに後悔した。

どうしてあの時お金を無駄遣いしたんだろうと。

気づくと涙ぐんだまま机に突っ伏して寝ていた。

起きると手の異様な感覚に気づいて、左手の手のひらを見た。

虹色に光るねりけしが握られていた。

これはいったい何だろうか。

ねりけしといえば美術で使う消しゴム代わりみたいなものだが、それも虹色ときた。

とりあえず今後後悔しないようにと私は決意表明のために、メモを残すことにした。

ノートを開きすらすらとありったけの想いを書いていく。

お金がなかったこと、人生自分のために生きてきたこと、それを後悔したこと。

だめだ、うまく分がまとまらない、頭のなかがぐちゃぐちゃだ。

私はそう思いながらいったんすべて消すためにねりけしを使った、消しゴムが見当たらなかったからだ。

するとどうだろう、その書いた悩みを払拭するように身の回りの情報が書き換わり、亡くなったはずの母までが息を取り戻した。

奇跡が起きたと思った。

ねりけしに救われた私は今度こそと思いつつ、今度は親のためにもお金を使うことを決めた。

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