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魔法使いの嘘

フリー台本

登場人物

レオン(主人公)
リリア(ヒロイン)
ナレーション

所要時間 約22分 (VOICEPEAK計測)

レオン「ああ、なんてバカな商人だ。今日も安く商品が手に入ったぜ。レジを信用して、商品価格も頭に入っていないなんて、もはや現代病か?そんなにデジタル技術が信用できるのかよ」

ナレーション「そう皮肉を吐き捨てるのは、レオンという魔法使いだった。彼は数字にまつわるものをなんでも操作できる魔法を使える。例えば勘定や時間、数字が絡むものすべての概念について干渉できるだからこそ彼は・・・」

レオン「俺って本当に天才的、そして知性的で、選ばれた魔法使いだよなぁ、なあこの世界もそう思わないか?」

ナレーション「そう虚空に向かって一人話すのだった。嬉しそうな彼を見て、振り向くものは誰もいない。だって彼を罪人だとも認識している人すらいないし、そもそも、彼を捕まえるために証拠を立証することが不可能なのだ。魔女狩りから逃れた彼の一族にのみ与えられた、この世の非現実、魔法は、この時代の常識を覆すものだったからだ。」

レオン「家に戻ってくつろいでいるのもいいけれど、なんだろうな、財も腹も満たせているのに、なぜだか満たされないこの心は何だろうな。いっそのこと感情なんてなくなってしまえばいいんだ」

ナレーション「感情はゲーム上ではパラメーター化されているが、現実世界では数字にならない。よって彼の干渉できる領域ではなかった。虚しくも諦める彼に、ふとなんとなく眺めていたブログ記事が目に留まった」

レオン「個人ブログか・・・今どき珍しいものだな。AIと対話している人が多い中で、自分のチカラで文字を起こして、情報を発信していく人がいるとは、どれどれ・・・」

ナレーション「そのブログ記事のテーマは、ささやかな幸せを願う私というものだった。」

リリア「私は生まれつき心臓が弱くて働くことも難しいし、学生時代もみんなの輪の中に入って生活を送ることができなかった。ずっと白い風景。病室の窓からの景色を眺めて、ゆっくりと雲が流れていくのを眺めたり、スマホで夢を追いかけていくキラキラスターを目で追っていくだけ。ああ、私もこんな人みたいに輝けたらいいな。そう願うばかりだけれど、いつの間にか悲しくないのに涙があふれてくる。

心のどこかで実現したいけれど、無理だと否定する私がいるんだって、そう思った。自分が自分に対して現実を突きつけていく様を感じ取ると、私は何とも言えない虚無感に襲われた。

AIチャットも試した。だけれど、あいつは人間じゃない。肯定botだ。私のすべてを機械的に肯定してくれるだけで、本気で私の心に向き合ってくれない。だから私はここに文章を記しています。

だれか、友達になってくれませんか?」

ナレーション「そこで文章は途絶えていた」

レオン「俺の満たされない感情とはとって違う感覚だ。なんというか、この人はすべてが最初から奪われている。俺のようにすべてを最初から与えられている人間とは全く違う。」

ナレーション「そのときレオンは初めて涙を流した。悔しさという気持ちよりも、世界は平等や公平を語りながらもなぜこの人は病院にずっと体も心も取り残されているのだろうかと。」

レオン「連絡先が書いてある。不用心な奴だな。まぁこの際どうでもいい、電話をかけてやろう」

レオン「もしもし、俺は魔法使いだ。魔法使いのレオンだ」

リリア「はっはっは、魔法使いさんが電話をかけてきてくれるなんて驚きだな。」

ナレーション「声を聴く限り若い女の子だった」

レオン「名前はなんていうんだ?」

リリア「私はリリア。いいなー魔法使い、どんな魔法が使えるのか今度見せてよ」

レオン「ブログをすべて読んだが、リリアを本気で助けたいってちょっと思った。なんだか今日は気が動転しているのかもしれない。人が書いた文章だ、そのくらい俺の心を揺さぶったのかもしれない」

リリア「私の想い、受け取ってくれたんだね。私のいる病院わかる?」

レオン「いやわからん、どこにも書いてなかったからな。」

リリア「本当にブログしか読んでないんだね」

レオン「まさかSNSかどこかに書いてるんじゃないだろうな?」

リリア「あったりー!」

レオン「あったりーじゃねぇだろ!まったく、お前と話してると調子が狂う。ふつうはな個人情報は書かないほうがいいんだよ。」

リリア「それだとね、誰も私のことを知ってくれないから。」

レオン「SNSに匿名で、実体験を書いていくとか方法があるだろう?それに・・・」

リリア「私はね、こうして人の声が聞きたかったの、コメントが欲しいんじゃなくて話し相手。ねぇ電話してくれたってことは友達になってくれるんでしょ?」

レオン「電話したからと言って誰でもと友達になるなんて・・・」

リリア「なってくれるんだよね?」

ナレーション「少し不安そうな声に切り替わったことを察したレオンはすぐに返答した」

レオン「わ、わかった。友達になってやる」

リリア「やったー!」

レオン「ちなみにリリアは今いくつなんだ?」

リリア「今年で16歳だよ」

レオン「ち、未成年じゃねぇか・・・成人と未成年が友達関係持つなんて、絶対社会的につぶれる・・・」

リリア「私が友達になろうって誘ったんだもん、いいんだよ」

レオン「はぁ・・・」

リリア「緑岡病院3階内科、そこが私のいる場所」

レオン「緑岡病院って、たしか・・・俺の家の近くじゃねぇか?」

リリア「え!?そんな偶然ってあるんだ!やっぱり私たちって結ばれる運命だったんだよ。きっと最初からこうなる運命だったんだよ。」

レオン「まてまて、それはさすがに暴論すぎるだろ。だいいち、今日初めてリリアのことを知ったんだぞ?」

リリア「でも電話をかけてくれた。うれしい、それだけでもとっても嬉しかった。ありがとう」

レオン「ありがとう・・・か。謝辞を述べられたのは初めてだったな」

リリア「そうなの?」

レオン「ああ、何せ俺は、普段社会不適合みたいなことやってるわけだし」

リリア「私も社会復帰してないから社会不適合だね!なかま」

レオン「お前のはぜんっぜん意味が違うからな!とにかく、今日まだ時間に余裕がある。病院行くから待ってろ」

リリア「うん!」

レオン「そんなに嬉しそうに返事されたら困っちまうだろ。」

リリア「だって来てくれるんでしょ?」

レオン「もちろん行くことは確定だが、まだ俺とお前は赤の他人だ。今日初めて会うってこと忘れたか?」

リリア「おじさん、話す内容が易しいからなんかね、自然と自分から心を許しちゃうんだ」

レオン「そうか、てかおじさんじゃねぇレオンだ。俺はこれでもまだ20だ」

リリア「へー」

レオン「なんだかうれしそうだな」

リリア「なんでもない!」

ナレーション「最後は恥ずかしそうに電話を一方的に切られてしまった。行動力はあるが、どこか危なっかしいなと思っているレオン、彼はしぶしぶリリアのいるという徒歩5分の病院へと向かった」

レオン「ついたぞ」

リリア「思ってたより、その、かっこいいんだね」

レオン「どんな顔を想像してたんだよ」

リリア「なんか小太りのおじさんみたいなのを想像してたよ」

レオン「いかにもそれが怪しいおじさんって定義になるとなればちょっと失礼すぎるような気もするけれど、まぁ疑いの目はあったってことか」

リリア「まぁ私もまだ心は乙女だからね」

レオン「そういえば16歳って言っていたな。心臓病は生まれつきなのか?」

リリア「そう、私は先天性でね。それが原因で周りのみんなに交じって青春みたいなことができなくて、なんかいろいろと葛藤があったんだ」

ナレーション「あってから間もないのに、すでにリリアの呼吸が荒くなっていることに気づいた。」

レオン「今、苦しいのか?肩で息してるから・・・」

リリア「ちょっとね・・・でもへい・・き」

レオン「一か八かだ・・・」

ナレーション「確証はなかったが、リリアの心臓に向けて時間魔法を使った。すると・・・」

リリア「苦しく・・・ない!?、レオンがやったの?」

レオン「確証はなかったが、どうやら心臓の鼓動が数字と関連づいたらしい、おかげで時間魔法が使えた」

リリア「すごい!レオンは本当に魔法使いなんだ!」

ナレーション「その日あった出来事が、リリアのブログを覗いてみると書かれていた。」

リリア「魔法使いのおじさんが私の元に来てくれた。半信半疑だったけれど、とてもうれしい。おじさんは本当に魔法使いで、時間魔法?って言っていたかな。きっと時間にまつわる魔法を使えるんだと思う。私は今日から生きる希望が生まれた気がした。また明日会う約束をしているんだ」

ナレーション「それが引き金となったのか、悪い連中に目をつけられることになってしまった。」

レオン「リリア、今日は本を持ってきた、ずっとここにいれるわけじゃないからな。暇なときにこの小説を読むといい」

ナレーション「レオンはリリアにライトノベルを差しだした」

リリア「恋愛かぁ。私もしてみたいな。ねぇ、レオン、私たち付き合わない?」

レオン「まだ出会っ2日目でそれか?未成年と付き合うのはさすがにできないな。法律が怖い。リリアが18歳になったら考えてやる。病気は俺の時間停止でなんとかなるかもしれないからな」

リリア「18歳になったら本当に結婚してくれるの?」

レオン「付き合うから、結婚って飛躍しすぎだろ。確かにこの小説はそういうストーリーだが、現実問題、結婚はそんな簡単に決断していいものじゃない。」

リリア「どんな時に決断するものなの?」

レオン「どうしても一緒にいたいくらい好きな人ができたときだな」

リリア「私はレオンと一緒にいたいよ?」

レオン「結論付けるのが早すぎるんだよ。まぁいいや」

リリア「ってことは結婚してくれるってこと?」

レオン「考えとく」

レオン「(その時の心からの喜びともとれる顔は今となっても一生忘れられない)」

レオン「まぁリリアが心臓病だからか、焦って恋愛したくなる気持ちもわからなくはないけれど、死ぬ前にやりたいことはほかにいくらでもあるだろう?結婚できなくたって、思い出のほうが大切じゃないのか?」

リリア「確かに言われてみれば」

レオン「ちょっと、魔法を使って、旅行にでも行くか。リリア、ついてこい」

ナレーション「レオンはリリアに残された時間が少ないと悟ったのか、リリアの手を引いて、周りの時間を操りながら遠方の観光スポットまで足を運んだ」

リリア「きれいな滝だね、水も透き通ってる」

レオン「ここは昔から神聖な場所として祀られていてね、よくここで願い事をしに来る人がいる。」

リリア「それなら、私とレオンが結婚できますように」

レオン「本当にそんな願いでいいのか?さっきも言ったがまだ出会って2日だぞ?」

リリア「私はいいの。」

ナレーション「リリアは背伸びをしながらレオンのほほにキスをした」

リリア「唇は結婚のときまで取っておくんだからね」

レオン「・・・本気か?それなら俺もリリアを本気で大切にしないといけないな」

レオン「(この子の寿命が見える、もってあと一週間ってところか。それまでに俺に何ができるだろうか・・・。精一杯生きててよかったって言わせてやりたい)」

リリア「レオン・・・。」

レオン「どうした?」

リリア「どうして泣いているの?」

レオン「何でもない、目にゴミが入ったんだろう。」

リリア「そんな昭和チックなごまかし私には通用しないよ。なにか隠してるでしょ、言ってよ。」

レオン「リリアの残りの寿命を見た。」

リリア「え・・・!それでどうだったの?」

レオン「あと一週間しかない」

リリア「そう・・・なんだ」

レオン「(落胆している、なんでそれしかないんだって、もう少し時間があってもいいじゃないかって、俺にだって思えるさ。リリアもきっとそう思ってるに違いない)」

リリア「最初で最後の友達がレオンで私は良かったよ。」

レオン「あれだけ個人情報をばらまいておいて、誰からもコンタクトがなかったのか?」

リリア「うん、がんばってくださいとかコメントは来るけれど、ほんとうに会いに来てくれた人はたった一人しかいなかった。それがね、とっても心の底からうれしかったんだ。魔法なんて使えなくたってよかった。最初は冗談だって思ったけれど、本当に魔法が使えて、ちょっと特別な気分を味わえたけれど、なくても良かったんだよ。」

ナレーション「その時初めて、レオンは時間を操れることを誇りに思った。だけれど、それは一時的な処置にしか過ぎなかった。なぜなら、延命する力はないのだから。同時に自分の力のなさを呪った。そして・・・」

レオン「残された大切な時間を俺はこうして奪ってしまっている、だけれど、そうだったとしても、少しでいいから、生きててよかったって思える瞬間が一瞬でも芽生えてほしいって、君に、リリアに出会えてそう思ったんだ。人の時間は無駄に長い人生だ。だけれどリリアは違う。限られた人生を必死で生きているんだ。あんな無機質な病室で一生を遂げるなんて間違ってる。そんな中に、少しでもいいから花を咲かせてやりたいなって思った。それでここに連れてきたんだ」

リリア「そうだったんだ。」

ナレーション「リリアはレオンに抱き着くと、泣きながら」

リリア「ありがとう」

ナレーション「そうとだけ告げた」

ナレーション「残りの寿命が差し迫る中で、レオンは今日は、明日はどこへ連れて行って、何を話そうかを必死に考えていた。今まで体たらくな人生を送ってきたからこそ、時間を浪費することしか頭に浮かんでこないのが悔しかった。仮にも好いてくれている相手にはちゃんとデートとしての体裁を整えるべきだろうと思った。」

レオン「観覧車に乗るのは初めてか?」

リリア「ええ、初めてよ。高いところってちょっと怖いけれど、風景ってこんなにも美しいものなのね。」

ナレーション「真夏の遊園地はたくさんの人だかりができてにぎやかだ。そして観覧車の窓から傍観できる風景も絶景で、朝早くから来てよかったと痛感する。」

レオン「昼間だと熱中症になっちまうかもしれないから、朝に着て正解だった。」

リリア「そこまで気を使ってくれていたの?」

レオン「まぁな」

リリア「最近お母さんにね、いつもどこに言っているの?って聞かれるから、魔法使いさんと遊びに行っているのって言ったら信じてもらえなかった。やっぱり魔法使いって魔女狩りの影響から存在自体も薄れちゃったのかな?」

レオン「かもな。そもそも最初から存在しなかったってことになっているかもしれない。フィクションの中の人間で・・・」

ナレーション「そういいかけたところで、とっさにリリアがレオンに抱き着いて」

リリア「魔法使いはいるよ。ここに。とーっても心が優しくて、私に最後まで希望を与えてくれる存在が。」

レオン「最後だなんて軽々しく言うな。まだ先はある。一週間なんて本当は存在しない数字かもしれないじゃないか。」

リリア「そうで・・・あってほしいな。」

ナレーション「リリアが、レオンの両手をぎゅっと握りながら言う」

リリア「普通の恋愛って何だろうって考えるまでもなく、好きになったらもう好きでいいんだって今なら思える。」

レオン「俺はモテたことがないから女性の気持ちはよくわからない。だけれど、それでいいんじゃないかって、それで突っ走っていいんじゃないかって思う。好きなものを好きなままで。それがリリアらしさなんじゃないかな」

リリア「どこまでも、ずーっと。あの太陽のようにずーっと遠くまであるように、長く生きてみたいな。」

リリア「レオン、泣いているの?」

レオン「余命僅かなのに、こんなことしかしてあげられない自分が情けなくてな」

リリア「一週間はただの数字だって言ったくせに、やっぱり余命宣告気にしてるんだ。そういうところ好きだよ。」

レオン「もともとは自分勝手に生きてきた。だけど、俺を変えてくれたのはここ数日の君の行いだ。リリアがいたから俺は変われた。何気ない風景にも、ちゃんと意味があってそれを慈しむリリアの姿が、いっそう美しく見えた。毎日を大切に生きるってのがどんなことなことなのかを身をもって教えてくれた存在。もう忘れることなんてできない。」

リリア「そう。私も忘れない。いつも病室で何をするまでもなく、たまに来る来客や看護師さんを相手にするだけの毎日。こんなの生まれてきた意味がないじゃないか、私が受けているのは何かの罰ゲームなのかって思った。だけれど今は違う。すぐそばに、触れるくらい近くに、ぎゅーってできるくらい近くにレオンがいてくれる。そしていつも私のことを考えてエスコートしてくれる。それが何よりもうれしいんだ。」

レオン「俺は…なにも・・・」

リリア「何もできてなくなんかないよ。一緒にいてくれて、話を聞いてくれて、一緒に風景を眺めて、それがいいんだよ。今までの私だけじゃできなかったこと、体験がここ数日でたっくさんできた。本当に感謝してもしきれないくらいに。あの時は本気で答えてくれなかったでしょ、今はどう?私と結婚してくれる気になった・・・?」

レオン「18歳になったらな」

リリア「またはぐらかす・・・。私はね、本気なんだよ?最初は冗談だったかもしれないけれど、ここ数日で答えは固まった。だからさ、レオンからも答えを頂戴・・・。」

レオン「(俺は何も言い返せず愛想笑いするだけだった)」

レオン「今日が最終日か・・・。運よく、夏祭りの日とかぶるなんて、本当にあの子は奇跡の子だ。」

リリア「ねぇ、私の服、変じゃない?」

レオン「別に変じゃないけれど」

リリア「夏祭りにいる恋人っぽい?」

レオン「ぽい、と思う」

リリア「目をそらさないでこっちを見ていって!」

レオン「正直、可愛すぎて直視できなかった、ごめん」

リリア「そう、なんだ。へへ。」

レオン「めっちゃにやけてるじゃん」

リリア「かっこいい男の人に褒められるの初めてで。じゃぁお店回ろう?」

ナレーション「今日は珍しく、リリアから手を引いて店を回っていく。今まで体験できなかった思い出を新しく構築していくように・・・」

リリア「あ!花火だ!」

レオン「ほんとだ、久々にこんなに近くで見たな。リリアのおかげでいい体験ができた。」

リリア「ねえレオン、こっち向いて!」

レオン「なんだ?・・・ん・・・」

ナレーション「そのまま背伸びしてリリアはレオンの唇を奪った。」

レオン「18歳になってからの約束だろ?」

リリア「後悔したくないから!わたし、今日で死んじゃうかもしれないから、18歳になれなかったら一生キスできないんだよ?そうなるくらいなら今しかないって思って・・・ごめん」

ナレーション「レオンは泣きながら必死に叫ぶリリアを抱きかかえると、病院へと向かった。なんども俺がついてるから大丈夫だと言い聞かせながら、荒い息のリリアを連れていく」

ナレーション「人工呼吸器ごしに、リリアが何度も話しかけてきた。涙をこらえながらレオンはすべての話を真剣に聞いた」

リリア「私、今日まで本当に楽しか・・・った。後悔することなんて・・・何もない。キスできてよかった。時間停止魔法、私にかけてなかったし、レオンは嘘つき魔法使いさんだ。でも好きな人が・・・見つかってよかった・・・。レオン大好きだよ」

レオン「ああ、俺の恋人はリリア一人だ」

リリア「そう・・・うれしいな。うれしいな・・・・。」

ナレーション「リリアは泣きながら息を引き取った」

レオン「(彼女を本気で幸せにすることができたのか、真相は正直いまとなってはわからない。でもあの時のキスは本物だった。リリアの覚悟は本物だった。どこにも偶像なんてありはしない。だからこそ、俺は決めた。今後もたった一人だけ、リリアを愛し続けていこうと、そう誓った。心臓病のため16歳で亡くなった少女リリア。彼女の正式な夫として、俺は生き続けることを心に誓う。夢の中でまた会えたらなんて、そんなことを考えることもあった。だけれど、今は前を向かなきゃいけないんだ。あのとき会わなければよかったなんて考えたこともある。でもそれは、彼女が必死に描いてきた物語を否定することになってしまう。それはあってはならない。きっとこれでよかったんだ。

これが人生の正解ルートだったんだ。そういえば俺の心は嘘つきだったな。)」

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