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夏の味と枝豆アレルギーの誓い

掌編小説

夏の日差しが降り注ぐ中、遠くの農場から届く新鮮な枝豆の香りが街中に広がっていた。

幼い頃から夏になると必ず楽しみにしていた枝豆の季節。

そんな思い出が、今も彼の心を温かくする。

少年・蓮(れん)は、家族や友人と一緒に枝豆を食べる楽しさを知っていたが、一つだけ違うことがあった。

彼は枝豆アレルギーを持っていたのだ。

それが分かったのは、小学生の頃だった。

蓮が初めて枝豆を食べた時、口の中がかゆくなり、顔に赤い発疹が現れた。

慌てて母親に連絡すると、病院に連れて行かれた。

診断結果は、大豆アレルギー。それが枝豆にも当てはまることを知った蓮は、以来枝豆を避けるようになった。

友達が枝豆を楽しむ姿を見るたび、複雑な気持ちになることもあったが、命に関わる症状を経験した後は、自らを守るためにも枝豆を遠ざけることを選んだ。

そんなある夏の日、蓮は街角の屋台で、懐かしい枝豆の香りに誘われるように立ち止まった。

屋台の主人はにこやかに枝豆をすすめるが、蓮は頭を横に振って断った。

すると、屋台の奥からひときわ明るい笑顔の少女が現れた。

「枝豆アレルギーですか?」

と少女が尋ねると、蓮は驚きながらもうなずいた。

「私も大豆アレルギーなんです。枝豆が食べられないのは寂しいよね。」

と少女が微笑む。

二人は互いの経験を話し合い、枝豆アレルギーを持つ者同士としての共感を感じた。

蓮は初めて、枝豆アレルギーを抱えることに対して少し寂しさを感じることができた。

「でもね、私はアレルギーがあっても、夏を楽しむ方法を見つけたんだよ。」

と少女が言うと、蓮は興味津々で聞き入った。

少女は、大豆の代わりにピーナッツやアーモンドを使った料理を作ったり、夏の代表的な果物であるスイカやメロンに目を向けることで、枝豆以外の楽しみを見つけていると話した。

「アレルギーだからこそ、新しい味や食べ物との出会いがあるんですよ。」

と笑顔で続ける少女の言葉に、蓮は心が軽くなった。

それからというもの、蓮は少女と一緒に夏の味覚を楽しむことにした。

新しい食べ物との出会い、そして彼女との交流は、蓮にとって大切な宝物となった。

枝豆アレルギーを持つ蓮だったが、彼は夏の誓いを立てた。

枝豆が食べられなくても、夏の楽しさを共有し、笑顔で過ごすこと。

それが彼の特別な夏の思い出となるのだろう。

彼の心には、枝豆の味だけでなく、大切な友との笑顔がずっと色濃く残ることだろう。

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