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歌声が出なくても歌を届けたい

フリー台本

桃子と直之なおゆきは同じ学校の音楽部に所属していた。

二人はとても仲が良く、いつも一緒に合唱の練習をしていた。

ある日、学校で合唱コンクールが開催されることが決まった。

桃子と直之はこの機会に一緒に歌いたいと思い、練習に力を入れ始めた。

しかし、桃子はある日、突然声が出なくなってしまった。

喉が痛くなったと思ったが、どうやら声帯に問題があるようだった。

桃子は悔しさと焦りを感じながらも、あきらめることはなかった。

彼女は声帯を休ませるために練習を中断し、直之が代わってソロパートを歌ってもらうことにした。 もともと声が高めな直之は桃子の代わりにソロパートを歌い始めた。

彼は桃子の歌声を思い出しながら、思い切り歌い上げた。

その声は、まるで桃子のように優しく、心に響くものだった。

合唱コンクールの日がやってきた。

桃子はまだ声が戻らず、舞台に立つことができなかった。

しかし、彼女は直之の歌声に支えられながら、背中で歌うことを決めた。

舞台に立つ直之は、桃子の代わりにソロパートを歌い上げた。

彼の声はまるで桃子のように優しく、聴く人々の心を打ち震わせた。

観客たちは感動のあまり涙を流しながら、直之の歌声に聞き惚れた。

彼の歌声はまるで桃子の魂が宿っているかのようだった。

合唱コンクールが終わり、結果発表の時間がやってきた。

直之は桃子の代わりに歌ったことを話し、彼女の声が戻るまでサポートしていくことを伝えた。

そして、結果が発表された。

その結果、直之の歌声が高く評価され、学校の名誉にかけて優勝を果たしたのだった。

桃子は喜びと共に涙を流し、直之に感謝の気持ちを伝えた。

彼女は自分の声が戻るまで、直之と一緒に歌い続けることを決めたのだった。

二人はこれからも一緒に歌い、夢を追い続けることを誓った。

桃子は直之の歌声に救われたことを感じながら、新たな道を歩み始めたのだった。

「 ありがとう、直之。私の声はきっと戻るから、一緒に歌い続けようね」

と桃子は微笑みながら言った。

直之も優しい笑顔で頷きながら、

「いつでも一緒だよ、桃子」

と答えた。

二人は共に歌い続けることで、自分たちの心の声を届けることができると信じていた。

そして、その絆を大切にしながら、新たな歌の旅が始まったのだった。

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