紀子と大輔は学校の千代紙を作るために、学校の裏庭で集まっていた。
紀子は真剣な表情で千代紙を作っている。
彼女は細かいところまで気を配りながら、色鮮やかな絵柄を描いている。
大輔は彼女の横で手持ち無沙汰に立ち尽くしていた。
「紀子、すごいな。こんなに上手に千代紙を作れるなんて」
大輔は思わず感嘆の声を漏らした。
紀子は恥ずかしそうに笑って言った。
「そんなことないよ。ただ、昔から千代紙が好きで、いつも作っていたんだ」
大輔は紀子の話に興味津々だった。
「本当に？それなら、俺も作り方を教えてほしいな」
紀子は驚いたような表情を浮かべたが、すぐに笑顔に戻った。
「もちろん教えてあげるよ。一緒に作りながら、思い出話をするのも楽しいかもしれないね」
二人は一緒に千代紙を作りながら、懐かしい思い出話に花を咲かせた。
紀子が小さな頃、家族と一緒に千代紙を作ったこと、学校の文化祭で友達と競い合ったことなど、たくさんの思い出が語られた。
時間はあっという間に過ぎ、紀子と大輔の千代紙も完成した。
紀子の作品は華やかな花模様が描かれ、大輔の作品はシンプルながら力強い龍が描かれていた。
「お互いに違った雰囲気の千代紙になったね。でも、どちらも素敵だと思う」
紀子は嬉しそうに言った。大輔は照れくさそうに笑いながら言った。
「ありがとう。でも、やっぱり紀子の作品には勝てないな」
紀子は大輔の言葉に微笑んだ。
「そんなことないよ。大輔の作品には大輔らしさがあるから、私はとても素敵だと思う」
大輔は少し照れくさそうに頬を赤らめながら、紀子の言葉に心が満たされていくのを感じた。
その後、紀子と大輔は千代紙を持って学校の屋上へと向かった。
風が心地よく吹き抜け、遠くには夕日が沈んでいた。 二人は千代紙を風に舞い上がらせ、心から笑いながら見送った。
「こんな風に、いつまでも一緒にいられたらいいのにな」
大輔はつぶやいた。
紀子はそれに気づかず、笑顔で大輔の方を向く。
「そうだね、これからもずっと一緒にいてほしいな」
大輔は紀子の言葉に、幸せな気持ちで満たされていくのを感じた。
二人は千代紙を遠くに飛ばし、未来へと歩き出した。
「ねえ、大輔。私たちの未来も、千代紙のように美しいものになるといいね」
紀子の言葉に、大輔は確かな未来を感じながら、頷いた。
「そうだな、絶対に美しい未来にしてみせるよ」
二人は手を繋いで歩き出し、夕日に染まる街を背にしていった。
彼らの未来は、きっと千代紙のように美しいものになるだろう。
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