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デジタル表示のルールブック

ルールブック 掌編小説

ルールブック。

競技、遊戯、就業などの規則書のことでかつては印字されし本により判定が行われてきたが、現在はコスト削減と携帯の容易さ等の利便性からデジタル化されて扱われている。

特に遊戯においてはゲームごとに途中から規則等を変更、または提示をしたいときにはデジタルで行えば早く簡単に多数の人々に情報を届けることが可能だ。

時代とともにルールブックの管理方法は変化してゆく。

今はうちの学校の学生証は個人のスマホの中で管理されている。

というのも学校から発行される編集不可のPDFファイルをスマホに保存している。

一つのファイルに校則や学生IDをはじめとした識別子も含まれている。

入学したから卒業までそれは保有し、卒業後に削除することが義務付けられている。

スマホだから生活必需品だし、だからこそどこかに置き忘れるといったこともない。

データのバックアップにより機種変更した場合においても学生証のデータもそのまま引き継がれるため便利だ。

カードと違って発行手数料もかからない。

お金のない学生にとっても嬉しいシステムだ。

「どうですか弊社の新システムは。お気に召していただけたでしょうか。」

彼は学校のすべてをデジタル化しようと考えているエンジニアだ。

定期的に第一回テスターである俺たちの学校へ来校し、様子を伺っている。

「コスト面では申し分ないし、何よりスマホ一つあればいいから、前より持ち物が減ってていいと思います。」

「教科書をPDF化することでマーキングも目もも書き込めるし、何より鞄が軽いのはいい。」

デジタル化の進行はクラスの大半が高評価を出していた。

やはり魅力が荷物が少ないというところらしい。

机にはコンセントが備え付けられ、常にスマホを利用できる環境が整っている。

今後学内LANを導入することからインターネットを通じて課題提出することが一般的になるのだろうと大体予想はつく。

大きく変化したともいえるのが、世帯ごとの経済的負担だと思う。

教科書代は国が作成しているものを使用していてかつ、デジタル文書なので無料である。

高校生である俺が毎月払っているのは授業料も無償化しているので0円だ。

年間でタダで一般教育を受けられるのはもはやありがたみしかない。

吸収できるものは何でも吸収して卒業したいと思っている。

今後はルールブックの一切、つまり校則や学内での諸事項(図書館での延滞図書等の扱いなど)すべてを記載したものが全生徒に配布される。

つまり軽く時間を割けば学校のカリキュラムや規則等があらかじめわかるようになっているということだ。

これは自分にとっては本当に使えるものだ。

「報告事項は以上です。今後もまた使用状況について伺いに来ますのでそのつもりでいてください。
では少々長くなりましたがお疲れさまでした。」

そう言って男社員は教室から出ていった。

後に続くようにほかで見ていた教員たちがぞろぞろと出ていった。

今回の説明を受けて未来はまだ可能性に満ちており、自国もまだ廃れちゃいない、

後進国ってよく言われているけれど、案外そうじゃないかもしれないと思った。

自分が大人になるころには今テストされているシステムが標準になるんだろうなと思うと少しワクワクしてきた。

子育ての負担を少しでも軽減できること、特にお金のかからないのに質は上位であるなら学校に預ける側としても安心できる。

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