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融通が利く入門書

入門 私色日記Ⅱ

大体取扱説明書や入門書って誰にでもわかるように書かれてないことが多いんだよな。

私がアスペルガーであることを診断されてから数か月がたっていた。

アスペルガーの人間は抽象的な説明や一部の説明を省くと全く理解ができなくなる症例だ。

はじめは私が人とのかかわりが乏しいからそんなに理解力がないのだとか強く当たられたが、この症状の名称が誕生したことにより私は救われている。

ほかの社員どもは僕の容量の悪さ、伝達しても話が伝わらないことに嫌悪していた。

社員への理解までとは届かなかった。

どれだけ一生治らない脳の病気のことを伝えても、子供のころの経歴について指摘を受けるばかりで、その分を補え、今後誰よりも努力を重ねろとか暴言を吐かれるばかりだった。

なぜ本当のことを言っても、できない理由を探しているだけだととられてしまうのか。

私は怠け者なんかじゃない。

今まで必死に食らいついてきた。

もしかすると入社できたこと自体奇跡のようなものだったのかもしれない。

記憶力が高い症例といわれるがそこまで超越しているわけではなくやっぱり人間ということもあり人並の記憶力だし、興味のあることしか鮮明に覚えていられないことはよく自覚している。

こんな労働環境にいても私が精神的に苦痛でダメになるだけだ、もういっそのこと人生をあきらめて生きていこうか。

私は踏ん切りをつけて退職した。

数か月後運よく転職することができた。

フリーランスで行こうと思ったが鬼才の持ち主でもなければ、特にネタが続く感じもなかったので、くいっぱぐれることを恐れて転職アプリを閲覧したのが事のきっかけだ。

転職先であるものを渡されて、今はそれのおかげでうまいこと作業をこなせている。

その渡された物というのが優れもので、私がなんでも入門書と呼んでいる電子デバイスである。

仕様書等でわからないことがあればコピー&ペーストをすればそれらの足りない言葉を自動的に補い、誰にでも理解できる言葉に推敲してくれる。

画像解析機能もあり、カメラから取り込んだ情報を自動的に文字に起こして言葉を補ったり翻訳したりする。

まるで人間の脳が解析しているような感覚だ。

制度は今の状態で非常に満足だ。

これを託してくれた会社および開発した社員に感謝している。

私はそれにより、余計なストレス、いわば言葉が伝わらないことに対する苦痛や、認識の齟齬の回避が実現できている。

そんな融通の利く入門書が私にとってとても良い。

ストレスのない世界に生きることで業務がスムーズに進む。

もはやこれが快楽そのものになっており、労働が純粋に楽しくなってきてた。

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