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地球の代わりを探してたら、身体を忘れてきた。

地球温暖化 掌編小説

突然だが、地球は滅亡した。

私は今、別の地に移り住んでいる。

重力のちがいで身体はふわふわとしているのか、今となっては理解済みだ。

地球の滅亡理由としては、太陽の著しい肥大化によって生命は紫外線の影響を大きく受けた。

内面から人は破壊され、地球に残る者は皆、細胞の再生ができずに衰弱死していった。

偶然にも私は宇宙飛行士であることもあり、太陽の影響を大きく受けていた地球から脱出することはできたのだ。

あの時は仲間もいた。

だが脱出前に僅かながら放射線等の影響を受けてから旅立った者もいたようだ。

その者は宙に浮きながら息を引き取った。

スペースシャトルから見る宇宙は絵に描いたように美しいのに、神はどこか大切なことを忘れてしまったのだろうか。

それとも強制的に地球の一生をやりなおすべく講じた対策なのだろうか。

数週間ほど時間がたっただろうか。

空腹に耐えきれず、どこかの星へ着陸することを希っていた。

そこまでは鮮明に記憶が残っているのだが、それ以降のことについては私はどうしていたのだろうか。

気が付けば今いる星に身を置いている。

いや、この表現方法は今となっては不適切か、

なんといったって私は身体をどこかへ置いてきてしまったようだから。

浮遊する感覚はずっと続く。

どこの星なのかはわからないが、旧世の地球のように緑豊かで空気がおいしいのは間違えない。

遠い異郷の地へ、実態のない私の一生はいつ幕を閉じるのだろうか。

生き続けたいという生前の私の願いを神が叶えたのなら、これは望んだ結果とはいえない。

人は意外とわがままなのかもしれない。

命だけ残されてもと思ってしまうのだから。

不自然な五感とこの世界と私はどう向き合っていくべきだろうか。

魂だけの私は何か別の動物に憑依できたりするのだろうかとか考えたりする余裕はある。

この地に出向いた地球人は、私以外にいないのだろうか。

孤独を貫くことに生前はかっこいいと思っていたが、現実独りになるとやはり退屈で寂しいものだ。

私は自分と同じ境遇の者がここにたどり着くことを信じて、この場に停滞することにする。

もしやってこれたら、私が先陣を切っていろいろと教えてあげるのだ。

もい一度言うが、地球は滅亡した。

もしかすると、霊魂だけで生きる者はどこかの地にいるのかもしれない。

神にもまた、こんな私の相手をしていられるほど、暇だったりするのだろうか。

それともたまたま、目に留まっただけなのだろうか。

今言えることは、第二の人生はすごくのどかで楽しい一面もあるが、人の心情によくある、自分だけ違う運命を歩むと心配になるというものは、やはり心に焼き付いたまま離れない。

人は寂しがりやなのだ。

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