麻衣子は学校で突然の腹痛に襲われた。
悶え苦しむ彼女を見かねた睦が駆け寄り、彼女を病院に連れて行くことにする。
病院では検査を受けた結果、麻衣子の膵臓に何かしらの異常があることが判明した。
医師からは
「早期発見が重要」
と言われ、手術を勧められるが、麻衣子は手術を受けることに躊躇していた。
「なんで私がこんなことになってるんだろう…」
と麻衣子は自問自答する。
彼女は普段から健康に気を使っていたし、他の子と比べても特に体調不良を感じることはなかった。
病室でぼんやりと天井を見上げながら、麻衣子は自分の体をただただ嘆いていた。
睦はそんな彼女の様子を見て、心配そうに近づいてきた。
「麻衣子、どうしたの?」
「睦…私、なんでこんなことになってるんだろう…」
睦はしばらく黙って麻衣子の顔を見つめた後、深いため息をついた。
「麻衣子、君っていつも頑張りすぎてると思うんだよ。学校でも部活でも、いつも一番になろうとするし、他の人のために尽くそうとする。でも、君自身のことはあまり大事にしてないんじゃないかな」
麻衣子は黙って睦の言葉を受け入れる。
彼女はいつも自分の体を押し付け、無理をしていたことに気づかされた。
「でも、手術って怖いし、嫌だよ…」
と麻衣子は小さな声で言った。
「でも、麻衣子。君はまだたくさんの夢を叶えることができるんだよ。手術を受ければ、きっと元気になれるし、もっと自分を大切にできるようになる。君が笑顔でいることが、僕たちの力になるんだから」
睦の言葉に麻衣子の目に涙が浮かんだ。
彼女は自分の未来を思い描き、手術を受ける決意を固めた。
手術当日、麻衣子は心配しながらも勇気を持って手術室に入っていった。
手術は成功し、麻衣子は無事に回復した。
退院後、麻衣子は睦と一緒に学校に戻り、元気に笑顔で友達と過ごす日々が戻ってきた。
彼女は自分の体に気を配りながら、大切な人たちとの時間を大切にするようになった。
麻衣子の手術の経験は、彼女の人生に大きな転機をもたらした。
彼女は自分自身を大切にし、自分の夢を追いかけることを決意したのだった。
そして、麻衣子の手術をきっかけに、彼女の周りの人々も自分自身を大切にすることを学んでいった。それはまるで膵臓が麻衣子の体の中で起こった奇跡のように、彼女たちの心の中で起こった奇跡だった。
彼らはそれぞれの道を進みながら、互いに支え合いながら、大切な時間を過ごしていったのである。
そして、麻衣子と睦は、その奇跡の一部として、ずっと大切な存在として、共に歩んでいくのだった。
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