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終電の神様

終電の神様 読書感想
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本に関する詳細

発売日 2017年2月

著者名 阿川大樹

出版社名 実業之日本社文庫

重版状況 24刷

発行部数 10万部突破

あらすじ

通勤電車は謎と奇跡を乗せて――

父危篤の報せに病院へ急ぐ会社員、納期が迫ったITエンジニア、
背後から痴漢の手が忍び寄る美人――
それぞれの場所へ向かう人々を乗せた夜の満員電車が、事故で運転を見合わせる。
この「運転停止」が彼らの人生にとって思いがけないターニングポイントになり、
そして……。

あたたかな涙と希望が湧いてくる、傑作ミステリー!

感想

「終電の神様・第1弾」は、七つの短編からなる感動的なミステリー小説集です。

電車が人生のターニングポイントになった人々の物語を描き、読者の感情を揺さぶります。

また、女装趣味な男性たちが登場する一風変わった作品も多く、読者を魅了します。

例えば、「閉じない鋏」では、危篤となった理容師の父のもとへ急ぐ会社員の息子の決断と、切ない終幕に涙が止まりませんでした。

また、「高架下のタツ子」では、芸術家の想い人がいる女性が出逢ったタツ子の数奇な運命と悲惨な過去に苦味が残ります。

さらに、「ホームドア」では、キヨスクが閉店する前日に駅売店の販売員を二十五年勤め上げた女性の物語を通して、心温まる結末に感動します。

この小説集は、読者の心を揺さぶり、多くの人々に愛されています。

ぜひ、続編も読んでみてください。

ネットでの評価

この本は、複数の物語から成る短編小説なのだが、特に印象に残っているのは、第2話の「ブレークポイント」と、第3話の「スポーツばか」だ。
「ブレークポイント」では、渡世や淡々とした日々の暮らしに区切りをつけ、心や身体を休めることの大切さに、「スポーツばか」では、まだそこまで付き合いの長くないカップルが、互いの思いを交錯させながらも、混沌とした毎日を乗り越えてゆく姿に感銘を受けた。次の作品もいつか読んでみたい。

7つの短編集。『高架下のタツ子』が良かった。
「一人で生きて、生き続けて、やっと、自分の居場所はここだというところに辿り着いたんだ。」
「誰であろうと、もう誰にも人生を変えられたくない。」辛い過去を背負って生きる姿が切なかった。
女装した人に弱い。

もしこれを見られた方がいたらお願いしたい。
必ず読んで欲しい! 
駅で起こった事故が関係する短編集だ。
そんなに期待して読んだわけではなかった。
まさかこんなに胸がキュンとして涙が出そうになるのは久しぶりだ。
最初は(え、何これ?)なんても思った。
しかし、一編ずつ読み進めていくうちに自分の中にもある感情を揺さぶられていると思った。
出来れば中高年層にお薦めだ。
人生色々あったよね。
たまには泣いてみよう。 あ〜、もうダメだ。ハンカチちょうだい‼️

Twitterでの口コミ

著者の経歴

  • 1976年 東京大学在学中に、同じ演劇研究会に所属していた野田秀樹らと劇団夢の遊眠社を旗揚げした。
  • 同劇団の専属作曲家になる。
  • 日本電気株式会社、アスキーなどの大手電機メーカーを渡って、半導体の技術者になる。
  • 1989年 半導体関連企業をアメリカのカリフォルニア州に設立。
  • 1999年 著者として活動を再開。
  • 同年に天使の漂流で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞を受賞。
  • 2005年 覇権の標的で第2回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞。
  • 同年に小説家としてデビュー。
  • 2015年 長編小説の横浜黄金町パフィー通りが舞台化した。

著者の代表作

  • ワールドカップは終わらない
  • 覇権の標的
  • D列車でいこう
  • フェイクゲーム
  • 幸福な会社
  • インバウンド
  • 横浜黄金町パフィー通り
  • 終電の神様

アニメ化、ドラマ化状況

特になし。

まとめ

作中にある芸能といった風景とは全く異なる経歴を持っている阿川大樹さんですが、小説家でありながら起業家でもあったことに驚きました。

終電の神様は見慣れない言葉が使われていることもありますが、そこには言葉による作品への奥深さが出ているともいえます。

読書メーターによる評価はそこまで高いイメージはないのですが、性別的なアイデンティティの理解(作中では性同一性障害)をするきっかけとしては良い作品かもしれません。

お題は美術、駅といったものですが、そこには著者のあまたのものの見方が表れていることと思います。

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