「さあ、出発だ。ミッドナイト図書館への旅が始まるぞ!」
エリオラは意気揚々と叫び、セインとともにその場を飛び出した。
二人は魔法の森を進んでいく。エリオラは不思議な光が舞い踊る中を歩いているような感覚に酔いしれた。
彼女の目の前に広がるのは、まるで魔法の絨毯のような美しい光景だった。
エリオラは感嘆の声を漏らし、セインも微笑んで頷いた。
「この森は本当に美しいな。こんなに魔法の力が溢れているとは……」
セインが言うと、エリオラは興味津々の目で彼を見つめた。
「セインさん、あなたはなぜこの森に詳しいの?」
エリオラは好奇心に満ちた声で尋ねた。
セインは微笑みながら答えた。
「私はかつて、この森の生い立ちについて研究していたんだ。この森は魔法の力が集まる場所であり、そこに住む水の精霊たちが力を与えているんだよ。」
エリオラは驚きを隠せなかった。
彼女が初めて会ったセインは、ただのならず者の図書館員と思っていたが、実は魔法の森についての知識を持っていたのだ。
「セインさん、なぜ私を連れてきたのですか?」
エリオラは少し戸惑いながらも、セインに問いかけた。 セインは真剣な表情で答えた。
「エリオラ、君は古代の知識と現実を変える力を持っていると言われている。そして、君が持っている力がミッドナイト図書館の存在を示す天体の羅針盤に反応しているんだ。君と一緒に図書館を探し、その力を使ってエトリアを救いたいんだ。」
エリオラは驚きと緊張が入り混じった表情を浮かべた。
「私の力が本当にそんなに大きいの?」
セインは優しく微笑みながら言った。
「エリオラ、君の力はただの魔法ではない。それはエトリアの未来を変える可能性を秘めているんだ。だからこそ、君と一緒に旅をするんだ。」
エリオラは胸の奥で燃えるような感覚を覚えた。
彼女は自分の力に自信を持つことができず、不安に駆られていたが、セインの言葉で少し勇気を取り戻した。
「ありがとう、セインさん。私、頑張ります!」
エリオラは決意を込めた声で言った。
二人は再び手を取り合い、魔法の森を進んでいく。
彼らの旅はまだ始まったばかりであり、困難な試練が待ち受けていることを知る由もなかった。
しかし、エリオラとセインは互いの力を信じ、困難に立ち向かっていく覚悟を決めていたのだった。
コメント