小学生の間でメイクが流行していることをご存じでしょうか?ある調査によると、小学生の約6割がメイク経験があり、多くの親が子どもの肌への影響を心配しているという実情があります。今回の記事では、小学生が安全にメイクを楽しむための、肌に優しいメイクセットの選び方や、使用する上での注意点について詳しく解説します。
小学生のメイク事情と親の懸念

最近では小学生向けのメイク本や、本格的なメイクキットが数多く販売されており、子どもたちが気軽にメイクを始める環境が整っています。気分を上げたい時や友達と遊ぶ時など、メイクは子どもたちにとって身近な「おしゃれ」の一つになっているようです。
しかし、子どものデリケートな肌への影響を心配する親は少なくありません。実際、肌への不安を感じている母親は8割以上というアンケート結果も出ています。大人の肌とは異なる子どもの肌に、どのような点に注意してメイク用品を選び、使っていくべきなのでしょうか。
子どもの肌に優しいメイクセットの選び方
子どもの肌は大人よりも薄く、非常に敏感でデリケートです。そのため、大人が使うメイク用品とは異なり、子どもの肌に特化した優しい成分で作られたものを選ぶことが重要です。
1. 「子供用」と明記された製品を選ぶ
最も大切なのは、「子供用」と明記されている製品を選ぶことです。多くの子ども向けメイクセットは、肌への刺激を抑える工夫がされています。100円ショップなどで販売されている安価なコスメの中には、成分表示が不十分なものや、大人向けの成分が配合されているものもあるため注意が必要です。
2. 成分表示を徹底的にチェックする
購入する前に必ず製品の成分表示を確認しましょう。特に以下の成分は、子どもの肌には刺激となる可能性があるため、できるだけ避けるのが賢明です。
- アルコール(エタノール): 乾燥や肌荒れの原因になることがあります。
- 防腐剤(パラベンなど): 敏感肌には刺激となる場合があります。
- 合成着色料(タール系色素など): アレルギーや刺激の原因になる場合があります。
「アルコールフリー」「パラベンフリー」「無添加」「天然由来成分使用」といった表記があるものを選ぶとより安心です。
3. 水や石けんで簡単に落とせるタイプを選ぶ
メイクを落とす際の肌への負担も考慮しましょう。石けんやお湯で簡単に落とせるタイプのメイク用品を選ぶことで、クレンジング剤による肌への摩擦や刺激を最小限に抑えることができます。ウォータープルーフなど、落ちにくい成分のものは避けるようにしましょう。
4. 日本製や厳しい品質管理基準をクリアしたものを選ぶ
安心して使用するためには、日本製のキッズコスメを選ぶことを強くおすすめします。日本の製品は薬機法(旧薬事法)など厳しい品質基準をクリアしているため、安全性が高いと言えます。海外製品の中にも安全なものはありますが、品質管理体制が不明瞭なものもあるため注意が必要です。
5. 対象年齢を確認する
商品によっては「6歳以上」「10歳以上」など対象年齢が設定されている場合があります。必ず子どもの年齢に合った製品を選ぶようにしましょう。特に幼いお子さんの場合は、誤飲の危険性も考慮し、口に入れても安全な天然成分由来のものを選ぶとさらに安心です。
年齢別のおすすめメイクセットと注意点

子どもの肌の敏感さやメイクへの興味は年齢によって異なります。ここでは、年齢別のおすすめメイクセットとそれぞれの注意点について解説します。
3歳~5歳向け:おままごと感覚で楽しむ
この年齢層の子どもには、本格的なメイクよりもおままごと感覚でメイクを楽しめる製品がおすすめです。
- おすすめの製品例:
- レイス ユニコーン バニティ メイクボックス: 肌に優しい水溶性素材を使用し、石けんで落とせるため安心です。見た目もかわいらしく、メイクアップケース付きで持ち運びも便利です。
- ディズニープリンセス キッズメイクセット: 3歳以上対象で防腐剤無添加。水で落とせるリップやチーク、アイシャドウが入っており、キャラクター好きの子どもに喜ばれます。
- おとぎネイル: 天然成分配合で、万が一口に入っても安心。刺激臭がなく、お湯で簡単にはがせる子ども用ネイルです。
- 注意点:
- 誤飲のリスクがあるため、小さなパーツが含まれていないか確認しましょう。
- 色がつかないフェイクタイプのおままごとメイクセットも、肌への負担を気にせず楽しめる選択肢です。
- 必ず保護者の目の届く範囲で使用させ、使用後はしっかり落とすように促しましょう。
6歳~10歳向け:本格的なおしゃれを体験する
小学校中学年~高学年になると、より本格的なメイクに興味を持つ子が増えてきます。この時期は、肌への優しさを保ちつつ、多様なアイテムを試せるセットが人気です。
- おすすめの製品例:
- レイス メイクボックス: 日本製で薬機法基準をクリアしており、水や石けんで簡単に落とせます。アイシャドウ、リップグロス、ヘアアクセサリーなどが入っており、敏感肌にも配慮されています。
- ピーチアンド キッズコスメセット: UVパクト(日焼け止め)とリップカラースティックのセット。パラベン・タール色素・合成香料フリーで、石けんで落とせるため、日常使いにもおすすめです。
- 粧美堂 キッズコスメセット: 肌に優しい水溶性素材を使用しており、持ち運びしやすいハンドバッグ型で、本格的なメイク体験が可能です。
- 注意点:
- 友達との間でメイク用品を貸し借りすることがあるかもしれませんが、衛生的ではないため、できるだけ自分のものを使うように指導しましょう。
- アイメイクやリップメイクなど、直接粘膜に触れる部分は特に衛生面に注意し、使用期限を守って使い切りましょう。
- 本格的なメイクを楽しむ中で、肌荒れが起きていないか、親が定期的にチェックしてあげることが大切です。
メイク後のスキンケアとトラブル時の対応

メイクを楽しむ上で最も重要なのは、メイク後の適切なスキンケアです。どんなに肌に優しい成分のメイク用品でも、肌に残ってしまうとトラブルの原因になる可能性があります。
1. 優しく丁寧にメイクを落とす
メイクを落とす際は、ゴシゴシと擦らず、優しく丁寧に落とすことが大切です。
- ミルクタイプのクレンジングを推奨: 子どもの肌には、最もマイルドなミルクタイプのクレンジング剤が推奨されています。
- 石けんやお湯で落ちるものは優先: 前述の通り、石けんやお湯で簡単に落ちるタイプのメイク用品を選ぶのが理想です。
2. 保湿をしっかり行う
メイクを落とした後は、化粧水や乳液などでしっかりと保湿を行いましょう。乾燥は肌トラブルの大きな原因となるため、日頃から保湿ケアを習慣づけることが大切です。
3. 肌トラブルが起きたらすぐに相談
もしメイクによって肌荒れやかゆみ、赤みなどのトラブルが起きてしまった場合は、ご自身で抱え込まず、すぐに保護者や大人に相談する癖をつけさせましょう。早期に対応することで、肌へのダメージを最小限に抑え、後々の肌トラブルを防ぐことができます。
- 専門医への受診も検討: 症状が改善しない場合や、悪化するようであれば、皮膚科や小児科の専門医に相談することも重要です。
資生堂の子供向け製品について
資生堂では、小学生向けのウェブサイト「キッズのためのキレイクラブ」を運営し、スキンケアや「きれい」について学べるコンテンツを提供しています。しかし、資生堂が公式に子供専用のメイクアップコスメ(アイシャドウやリップなど)として市販している商品は現在のところありません。
スキンケア製品や日焼け止めについては、子供の肌にも使える製品が一部あります。例えば「dプログラム アレルバリア ミスト」は子供にも使えるミスト化粧水として紹介されています。資生堂の公式FAQでは、生後28日から3歳未満の子供でも、肌にトラブルがなければ一部の日焼け止めを使用できるとしていますが、使用前にパッチテストを推奨しています。
本格的なメイク遊び用のコスメは、粧美堂やPeachandといった他のキッズコスメ専門ブランドが主流となっています。資生堂の製品を子供が使う場合は、スキンケアや日焼け止めに限定し、対象年齢や成分、安全性をよく確認することが大切です。
まとめ
小学生のメイクは自己表現やおしゃれを楽しむ素晴らしい経験となりますが、子どものデリケートな肌を守るためには、「子供用」と明記された製品を選んで成分表示をしっかり確認し、水や石けんで簡単に落とせる肌に優しいタイプを選び、日本製や厳しい品質基準をクリアした製品を優先し、メイク後は優しく丁寧に落として保湿を徹底し、肌トラブルが起きた場合はすぐに大人に相談して必要であれば専門医を受診するという点に注意しながら、親子で一緒にメイク用品を選び、正しい使い方を学ぶ時間を持つことで、お子さんが安全に健やかにメイクを楽しむことができるでしょう。
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