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寝てたら着く家族旅行

ボート 掌編小説

最近ASMRの影響か、入眠が早くなっており寝つきも実にいいが夢も頻繁にみるようになってきた。

その夢というのが家族で異郷の地へと旅行するものだった。

そこは日本地図のどこを探しても見つかることはなく、私の想像の世界ということになるが、既視感があるほどリアルな情景は私の画力と比例しないほどリアルで鮮明なもので、おまけに巧妙な会話までついている。

すべてを暗記することはできないが、おおよそであれば覚えている。

現実では独身の私が、夢の中では家庭を築き、子供2人で二人とも小学生くらいの年齢層とみられるほど童顔で幼い容姿だった。

いつしか私が夢見た光景だが、現実問題財源も出会いもなかった。

IT系や医療系ならば出会いはあっただろうかと電気工事士の私は考えを巡らせる。

女性との出会いを夢を見るも工業系ともなると出会いのきっかけがなかなかつかめないのは事実だし、出張や転勤が多く家族旅行とはもはや夢のような存在だった。

せめて不定期休みでなければともうところはある。

出会い系サイトで実際に出会えたという情報もなかなかないし、利用者にお金を消費させるためのサクラだったり人の本気の気持ちを嘲笑う同性の人間だったりで本気で恋愛した意味としては悪質な環境だから、そういうサービスを知っていてもネットで出会いを求めることはなかった。

現実でのみ出会いを探しているさなかだから、なかなか出会いはなく、今は20代後半と30代に差し掛かっていて少々焦りも感じていた。

でも実際問題40代で結婚した人もいるのは事実だし、まだ何とかなると思う反面もあったが、そこまでの加齢を許容してくれる人が果たして何名いるだろうか。

同じ職場の新入社員を狙うのは勝手だが、年齢差がありすぎると最初こそよいかもしれないが、後々おもりを残すこと間違えなし、先に私がなくなってかえって負荷になるのではと考えてしまう。

気まぐれにその続く夢について検索してみると、業者の宣伝かもだとか書かれていて、信憑性を欠いていた。

そんな技術現実的じゃないし、私のただの無意識の創作の範囲であるとしか言いようがなかった。

それにすがるようで、このまま未婚のまま終わってしまうのだが、もう一つの世界線の楽しいところだけをなぞっているようでそれはそれで楽しい感覚があった。

結婚するとつらいことも、いや辛いことの方が多いかもしれないと考えると、夢の中だけでよいかと思ってしまうものである。

どうか、この夢がまた明日も続くようにと私は願っている。

続けば毎日私は旅行気分なのだから。

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掌編小説私色日記Ⅱ
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