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レアなボランティア

プラネタリウム 掌編小説

プラネタリウムとはそもそも何なのか。

ボランティアの募集にプラネタリウムの作成と書かれていた。

なんでも規模の大きな作業になるらしく大人数を必要としているとのことだ。

教師からボランティア活動は就活時のアピールポイントにもなりうるから勧められていた。

その点もあって、自発的にボランティア活動を検索していたところ、地球人主催の星座づくりが目に留まった。

地球の科学は金星よりも進んでおり、水に囲まれた豊かな世界と聞いていたから、学校の座学で習っていたから、少々興味があった。

いつか自分が地球へ行くことができる日が到来するのだろうか。

そんな夢を抱きつつ、俺はボランティアにWebで申し込みをした。

持ち物は特に必要ないとのことで手ぶらで集合した。

ちょうど地球人が最善で演説を終えたところだったため、俺は人込みをかき分けて彼のもとへ駆け寄った。

「あの、地球人の方ですよね。」

「いかにも、私が地球人だ。」

「地球ってどんなところなんですか?」

「この金星と変わらないくらい気候が安定している場所だよ。嗚呼、緑はもう少し多かったかな。人が意図的に木を植えているからね。いくら森林破壊が進んでいるといってもその分の対処はしっかりと行われている。」

「金星は人工樹ばかりで、触れた感じでは植物は生き物って感じがしないんです。光合成も人工的に行っていますし。」

それを聞くと、彼は眼を丸くしてこちらを見た。

「人工的に光合成ができるのかい?地球にはそんなものはなかったよ。素晴らしい。」

科学においては金星より地球が先を行っている感じがしたけれど、どうやら分野によって差が異なるようだった。

「ところでプラネタリウムって何ですか?」

「地球から見える星々を映像として天井に映し出すものだよ。」

「星って何ですか?」

「夜の空は見たことはあるかい?」

「ないですね。」

「夜の空を見ると、太陽光に照らされた小惑星が光って見えるんだ。それらを総称して星と呼称する。肉眼ではただの点に見えるけれど、それらを結ぶと一つの絵になるんだ。これが星座という。」

点を結んで絵にするなんて発想はなかったな。

今度金星の星空を見ながらやってみようかな。

「今回プラネタリウムを作成するのはもっと宇宙規模で地球のことを様々な人に知ってほしいという願いからなんだ。機材はすでにあるから、組み立てるだけだ。」

それなら俺にもできそうだ。

実績作りのために頑張るぞ。

半日かかってようやくプラネタリウムは完成した。

「いやぁ体育館が埋まるくらいの人が参加してくれたおかげで予定より二週間も早く組み終えることができました。本当にありがとうございます。お礼と言っては何ですが、一度皆様が作ったプラネタリウムをご覧になっていってください。」

あたりが暗くなり、天井に満点の星々と絵が映し出される。

実に美しかった。

デネブとかスピカとか解説はよくわからないけれど、今新しい娯楽を見つけた気分で心が躍った。

そしてもっと地球のことを知りたいと思った。

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