ロゴユメ

マネー戦記

VR 掌編小説

物心がついたころから女装が趣味になっていた。

白いワンピースに、長めのスカートから短いものまで。

女性ものの服から、下着までたくさん買いそろえてた。

実家が裕福なこともありだいたい高価でほとんどの人があまり手を出せない服が多くそろっている。

上下合わせて1万程度だから僕のお小遣いからすると何ら痛い金額ではない。

そのまま長い歳月が過ぎ、僕は大人になった。

大人になった今でも女装はやめられない。

もっと、もっと可愛くなりたいと思った。

きっと僕は生まれてくるときの性別をまちがっちゃったんだね。

働くときは男としてふるまわなければならないけれど、家に戻れば女として過ごせる。

ミックスボイスも覚えた。

ネットで言う両声類というやつだ。

コツをつかめたから見た目も声も女性としてふるまうことに成功していた。

ネット上での生配信ではたくさんのファンがついてくれて、毎度配信は盛り上がる。

朝起床して、通勤して、7時に退社して夜は女装して生配信するこのルーティーンで毎日過ごしていた。

ある日SNSの友達登録の申請がきてファンの方だと思い、承認した。

今思えばこれがすべての始まりだったのかもしれない。

別のSNS上で自分QRコードを公開しているから追加が来ても何ら抵抗は感じなかった。

だからブロックすること自体まれなケースだった。

別にそれがいけないことだったとも思わない。

それをきっかけとして私はさらに富豪となっているのだから。

SNSのチャットよりお金をかけて戦い、大きな利益を得てみませんか?

どう考えてもスパムだと思ったけれど、資産が増えれば金利だけで生活が成り立つかも、新しい服がいっぱい買えるかもと欲に負けて私は返信した。

「それって投資案件ですか?それならお断りしたいのですが。」

返答は目を見張るものだった。

即金性で投資ではなく、ゲームの勝敗によってお金が増減するのだという。

ギャンブルか。

私はそれの類の知識は疎かったので丁重にお断りしようと思ったところに、もう一通返信が入った。

「麻雀やパチスロのように賭け事でもありません。ゲーム上で扱われる仮想通貨があなたの武器となります。武器が少ないものはテクニックで。ある者は力でねじ伏せることで勝てます。どうです?一度やってみませんか?」

僕は生唾をごくりと飲み込むと、了承した。

後日、連絡を取り合った相手と対面した。

長身の青年で僕より若い人だとすぐにわかった。

「ようこそマネー戦記へ。仕組みはVRゲームでの勝者へ相手の削った分の体力分のお金が入ってくるというものです。キットの用意やアカウント登録はこちらで終わらせてあるので、あとはプレイするだけです。あ、銀行口座の入力だけは自分で行ってくださいね。では僕はこれで。」

このままこれを持ち帰ってよいということか。

随分と熱いファンがいたものだ。

つまりあのゲームは持つ財産の多いものほど勝てるゲームというわけで、いくら初心者でも金さえあれば必然的に勝者になれるというわけだ。

家に戻り自室に入る。

そしてVRのキットをかぶり、ゲームに参加した。

初期装備はロッドと白のローブだったが、これについては少々お金をつぎ込めば強化は容易だ。

初期投資と題して、私は5000円を課金し、初期よりプラス20魔力の高いロッドを購入した。

初の対戦相手はいかにも課金プレイヤーっぽい兜と鎧を備えたプレイヤーだったが、力はキャラの能力値だけではなく所持金にも依存するという独自のシステムがあるから負ける気はしなかった。

結果は当然勝利した。

報酬として5万円入った。

これならば普通に働くよりも大きな金額を一瞬で稼ぐことができるので、私にもってこいだった。

これで新しい服がたくさん買えるから生配信したときに、リスナーの目を飽きさせずに済むなと思った。

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掌編小説私色日記
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