「メタマスクにNFTが表示されない…」せっかく手に入れたNFTが見つからず、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、メタマスクでNFTが表示されない主な原因から、具体的な解決策までを徹底的に解説します。
1. なぜ?メタマスクにNFTが表示されない主な原因
メタマスクにNFTが表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。まずは、それぞれの原因を理解することが問題解決への第一歩です。
1.1 ネットワークの不一致
NFTはそれぞれ特定のブロックチェーン上で発行されています。例えば、イーサリアム(Ethereum)で発行されたNFTはイーサリアムネットワーク上で存在し、ポリゴン(Polygon)で発行されたNFTはポリゴンネットワーク上に存在します。
メタマスクで現在選択しているネットワークが、表示したいNFTが存在するネットワークと異なっている場合、NFTは表示されません。これは、例えるなら、テレビのチャンネルが間違っているのに見たい番組が映らないようなものです。
1.2 NFT自動検出の未設定
メタマスクのスマートフォンアプリには、保有しているNFTを自動で検出して表示してくれる便利な機能があります。しかし、この「NFT自動検出」機能が有効になっていないと、NFTが自動的に表示されません。特に、初期設定のまま利用している場合にこのケースがよく見られます。
1.3 コントラクトアドレスやトークンIDの入力ミス
NFTを手動でメタマスクに追加する際、NFTを特定するために「コントラクトアドレス」と「トークンID」という2つの情報が必要です。これらの情報に誤りがあると、メタマスクはどのNFTを表示すれば良いのか判断できず、結果として表示されません。入力ミスは、特に手打ちで入力する際に発生しやすい問題です。
1.4 ウォレットアドレスの確認漏れ
複数のウォレットアドレス(アカウント)をメタマスク内で使用している場合、NFTを受け取ったアドレスと、現在メタマスクで操作しているアカウントのアドレスが異なっていると、当然ながらNFTは表示されません。これは、別の引き出しに物をしまったのに、別の引き出しを探している状態と同じです。
1.5 PC版メタマスクの表示制約
メタマスクのブラウザ拡張機能(PC版)は、スマートフォンアプリ版と比較してNFTの表示機能に制約があります。画像を含めてNFTをしっかり表示させたい場合、メタマスク拡張機能単体では対応しきれないことがあります。この場合、メタマスクの「Portfolio Dapp」やOpenSeaなどの外部サービスとの連携が必要になります。
1.6 メタデータ未反映・インデックス遅延
NFTがブロックチェーン上に正常に反映されていても、メタマスクやOpenSeaなどのサービス側で、そのNFTのメタデータ(画像や詳細情報)がまだ反映されていなかったり、データベースへのインデックス(情報登録)に遅延が発生している場合があります。この場合、NFT自体はウォレットに存在しているものの、視覚的に表示されない状態になります。
2. 【ステップバイステップ】NFTが表示されない時の対処フロー
NFTが表示されない原因がわかったところで、具体的な解決策を順番に試していきましょう。以下のフローを順に進めることで、ほとんどの表示問題は解決します。
2.1 まずはこれ!ネットワークの確認と切り替え
最も多い原因の一つがネットワークの不一致です。
- メタマスクを開く
- 上部中央に表示されているネットワーク名(例:Ethereum Mainnet)をタップまたはクリックする
- 表示したいNFTが発行されたネットワーク(例:Polygon Mainnet、BNB Smart Chainなど)を選択して切り替える
これで、NFTが正しいネットワーク上で表示されるか確認してください。
2.2 アプリ版なら必須!NFT自動検出をONにする
スマートフォンアプリ版メタマスクを利用している場合は、NFT自動検出機能を有効にしましょう。
- MetaMaskアプリを開く
- 下部メニューの「NFT」タブをタップする
- もし「NFT検出」のメッセージが表示されたら、「設定でNFT検出をオンにする」をタップする
- メッセージが出ない場合は、ホーム画面右上の歯車アイコン(設定)をタップする
- 「セキュリティとプライバシー」に進む
- 「OpenSea APIを有効にする」と「NFT自動検出」の両方を「オン」に切り替える
重要:「OpenSea APIを有効にする」をオンにしないと、「NFT自動検出」が有効化できません。また、この設定は基本的にEthereumメインネットのみで利用可能です。Polygonなどの他のネットワークでは自動検出ができないため、手動追加が必要になります。
2.3 確実に表示させる!手動でNFTを追加する方法

自動検出がうまくいかない場合や、特定のNFTを手動で表示させたい場合は、以下の手順でインポートします。
- 表示したいNFTのコントラクトアドレスとトークンIDを準備する。
- これらの情報は、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスで該当NFTの詳細ページを開き、「Details(詳細)」セクションなどから確認できます。必ず正確にコピーしてください。
- メタマスクを開く
- 下部または画面上部の「NFT」タブを選ぶ
- 下にスクロールして「NFTをインポート」をタップする
- 「アドレス(コントラクトアドレス)」と「ID(トークンID)」の欄に、それぞれコピーした情報を貼り付ける
- 「インポート」ボタンを押す
これで、NFTがメタマスクに表示されるはずです。
2.4 複数のアドレスを使っているなら!ウォレットアドレスの再確認
複数のアカウントをメタマスクで管理している場合、今見ているアカウントが正しいか確認しましょう。
- メタマスクを開き、現在選択されているウォレットアドレスを確認する
- NFTを受け取った際に使用したウォレットアドレスと一致しているか確認する
- もし異なる場合は、適切なアカウントに切り替える
2.5 そもそもウォレットにある?OpenSeaで保有状況を確認
メタマスクに表示されない場合でも、そもそもNFTがあなたのウォレットに届いているのかを確認することが重要です。
- OpenSeaのウェブサイトまたはアプリにアクセスする
- OpenSeaにメタマスクを接続する
- OpenSeaのプロフィールページに移動する
- 「Collected」タブまたは「Hidden(非表示)」タブを確認する
特に、他人から送られたNFTやGiveawayで受け取ったNFTは、スパム対策のため自動的に「Hidden(非表示)」フォルダに格納されていることが多いです。
- 「Hidden(非表示)」に格納されている場合:
- OpenSeaのプロフィールページで「More(その他)」をクリックし、「Hidden(非表示)」を選択します。
- 該当NFTの「…」メニューから「Unhide(再表示)」を選択すれば、通常の一覧(Collected)に表示されます。
2.6 PCとモバイルの表示仕様を理解する
PC版のメタマスク拡張機能では一部のNFTが正しく表示されない場合があります。
- PCブラウザ版のメタマスク拡張機能を使用している場合:
- メタマスクの**「Portfolio Dapp」**を利用するか、OpenSeaなどの外部NFTマーケットプレイスにメタマスクを接続してNFTの表示を確認してください。Portfolio Dappは、メタマスクが公式に提供するウェブサイトで、よりリッチな形で資産やNFTを表示できます。
- モバイル版のメタマスクアプリを使用している場合:
- 上記の「NFT自動検出」設定を再確認し、必要に応じて手動インポートを試してください。
2.7 時間を置いて再確認する
NFTの購入・受け取り直後や、ブロックチェーンの混雑時など、トランザクションの処理やデータ反映に遅延が発生することがあります。
- しばらく時間を置いてから、再度メタマスクやOpenSeaを確認してみてください。数分から数時間待つことで表示されるケースも少なくありません。
- Etherscanなどのブロックチェーンエクスプローラーで、該当のトランザクションが正常に完了しているか確認するのも有効です。
3. その他の注意点とセキュリティ対策
NFTの表示問題とは直接関係ありませんが、安全にNFTを取り扱う上で非常に重要な注意点です。
- フリーWi-Fiや怪しいサイトからのアクセスを避ける: セキュリティリスクを高める可能性があります。
- 知らないエアドロップNFTに触れない: フィッシング詐欺や悪意のあるコントラクトに誘導される可能性があります。
- リカバリーフレーズ(シードフレーズ)は絶対に他人と共有しない: ウォレットの全資産を失うことになります。
- ウォレットアドレスの確認ミスに注意: NFTを送受信する際は、必ずコピー&ペーストを利用し、間違いがないか最終確認を徹底しましょう。
4. どうしても解決しない場合は公式サポートへ
上記の手順をすべて試しても問題が解決しない場合は、MetaMaskの公式サポートに問い合わせることを検討してください。その際は、これまでに試した対処法や、表示されないNFTの詳細情報(コントラクトアドレス、トークンIDなど)を具体的に伝えると、スムーズなサポートが受けられます。
まとめ
メタマスクにNFTが表示されない問題は、多くの場合、ネットワークの不一致、NFT自動検出の設定、または情報の入力ミスが原因です。本記事で紹介した対処フローを順番に確認することで、ほとんどの問題は解決できるはずです。焦らず、一つずつ確認してみてください。
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