「ねぇ、正和くん、この買い物かごかわいいでしょう?」
里美は一つのかごを手に取り、自慢げに笑った。
正和はかごを見て、微笑みながらうなずいた。
「確かに、可愛いかごだね。でも、何か特別な用途があるのかな?」
里美はうっとりとかごを見つめながら答えた。
「実は、私、このかごを使ってお金をためているの。毎日少しずつお金を入れているんだ。」 正和は興味津々で聞き返した。
「お金をためるって、どういうこと?」
里美はニッコリと笑ってかごを揺らした。
「私、買い物が大好きなんだけど、ついついお金を使いすぎちゃうんだよね。だから、このかごを使ってお金をためることにしたの。」
正和は驚きながらも納得の表情を浮かべた。
「なるほど、だからかごを持っているのか。でも、どうしてかごでお金をためるの?」
里美はかごを持ち上げ、中身を見せるように正和に見せた。
「実は、このかごには仕掛けがあるの。中にお金を入れると、かごの底にある秘密のスイッチが反応して、お金が消えちゃうんだ!」
正和は驚きを隠せなかった。
「お金が消えるって、どういうこと?」
里美は興奮気味に説明を始めた。
「このかごは特殊な仕組みになっているの。お金を入れると、かごの内部に小さな穴が開き、お金がそこから別の次元に送られるんだ!だから、お金がたまっていくと、かごの中には何もなくなっちゃうんだよ。」
正和は目を丸くして里美を見つめた。
「本当に?そんな不思議なかごがあるんだ。」
里美は満面の笑顔で返答した。
「本当だよ!これでお金をためることができるから、私、買い物を我慢しながらお金をためているんだ。」
正和は感心しながら言った。
「すごいな、里美。そんなにお金を貯めるなんて、尊敬するよ。」
里美は照れ笑いしながら言った。
「まだまだたまっていくけど、いつか欲しいものを買うために使いたいんだ。だから、我慢してるんだよ。」
正和は真剣な表情で里美の手を握った。
「里美、君の努力はきっと報われるよ。応援してるから、頑張ってね。」
里美は正和の手を強く握り返し、感謝の気持ちでいっぱいになった。
「ありがとう、正和くん。私、これからも頑張るから、一緒に買い物に行って、かごにお金を入れるのを見ててね。」
二人は笑顔で手を繋いでショッピングモールを歩き始めた。
里美のかごが次第に重くなるにつれ、彼女の心も少しずつ充たされていくのを感じながら。
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