本に関する詳細
発売日 2018年3月
著者名 桜町はる
出版社名 宝島社文庫
重版状況 なし
発行部数 不明
あらすじ
僕は、友達を作らないと決めている。そんな僕に、誰もいない放課後の教室で、彼女は唐突に話しかけてきた。
「わたしと友達になってよ」
秋山明日菜。眉目秀麗で、中学生で数学オリンピックに出たほどの天才少女。友達は、一人もいない。
秋山さんの中学校の同級生によると、昔はとても社交的な人気者だったのに、突然入院し、復帰すると人を避けるようになっていたらしい。
秋山さんは、黙っている僕に構わず続けて言った。
「わたし、記憶を一ヶ月しか保てないの。一ヶ月周期でリセットされちゃうんだ」
「僕のことを忘れてしまうのに、どうやって友達になるの?」
「大丈夫、君を選んだのにはちゃんと理由があるんだよ。君のことは忘れても君の数字は忘れないから」
秋山さんは僕に半ば無理矢理に「友達になる約束」を取り付け、教室を出ていった。
こうして不本意ながら秋山さんとの交流が始まったのだが、彼女には僕の暗い過去につながる、ある秘密があった―――。心が震える、感動の青春恋愛。
感想
心臓病だったヒロイン(女の子)は、主人公の元カノの心臓を移植されたことにより、知らず知らずのうちに主人公に恋心を抱いていきます。
ツンデレ混じりだけれど、数学が特に大好きなヒロインは、主人公が数学の話題についていけていることに感銘を抱き、さらに距離が近くなっていくという描写がとても心が温かくなりました。
しかしながら、2度目の心臓の手術で、長い間築いてきた関係や主人公への想いがどうなってしまうのかと思うと、終盤は本当に心を揺さぶられました。
ネットでの評価
教室で孤立する美少女の明日菜から、僕は突然「友達になって」と言われる。
彼女は心臓手術してから1ヶ月ごとに記憶がリセットされてしまい、天才数学少女だから僕の電話番号に興味を持っただけで、親しくなるうちに惹かれあい、でも彼女の再手術が決まって会えなくなり、って展開はラノベとして平均的な作品だと思う。
それよりも、他の人も触れてるように、読みながら「君の膵臓をたべたい」「博士の愛した数式」「僕は何度でも、きみに初めての恋をする」「春となりを待つきみへ」とか色んな作品を連想するのがおもしろかった。
ある日、僕に話しかけてきたのは、いつも1人でいるクラスメイト、明日菜。彼女は1ヶ月しか記憶を保てない「前向性健忘症」だった。
そんな明日菜が僕に話しかけてきた理由、それは僕の「電話番号」に恋をしたから。
それから僕たちは、彼女の思い出づくりを進めていく。
物語の設定が他の小説を思い出すところもありますが、作者の個性もしっかりあって面白かったです。その後2人がどうなるのかが気になる・・・!
数学が大好きな彼女が恋をしたのが、僕の携帯番号という出だしがまず良かったです。
本の随所に散りばめられた数学の話は興味深い。
その中で丁寧に描かれた、二人の気持ちの変化が細やかで、中盤、両想いになったところから物語が劇的に動いていき、最終的にはハッピーエンド。
伏線が随所に張られていて、またはじめから読み直したくなります。 最後のヒロインの日記の部分が、とても瑞々しく、可愛らしい。
良い本です。
Twitterでの口コミ
著者の経歴
- 東京都在住
- 2018年3月 僕たちの小指は数式でつながっているを出版
- 2020年5月9日 寿退社の有川さん 天才記者はまた犯罪者に恋していますを出版
著者の代表作
- 僕たちの小指は数式でつながっている
アニメ化、ドラマ化状況
とくになし
まとめ
ネタがかぶっているという主張も見受けられてますが、僕的には少し被っていることろがあったとしても、それはオリジナルの作品だと思います。
恋愛ものを書いていると、どこか自分の好きな作風に寄ってしまうことはあるものです。
それでも、私は完全なパクリであるとも思えず、一人の作家の大作であると思います。
読んでいるときは非常にドキドキしましたし、純粋に恋をしていく女の子の姿が可愛らしく思えました。
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