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魔物が棲むヘアゴム

念力 掌編小説

ふとした時に私は念力が使えるようになっていた。

何の変哲もない生活を送っていたのにもかかわらずだ。

特に行動や持ち物をリニューアルした経験も何もなかったから、そうなった原因として思い当たる節がまったくなかったのだ。

幾度か生活をしていくうちの中で意図的に念力を使おうとしたときに発動条件みたいなものがわかってきた。

それは私が髪にヘアゴムをつけていた時のみ発動できるというものだ。

手に握っただけでは発動しないのかとそのあと思ってやってみたところ発動したので、どうやら条件は体に触れていることのようだ。

このヘアゴムが一体何なのか。

普通の雑貨屋で購入しただけのもので、人間が作り出したものには変わりないはず。

ずっと同じヘアゴムを高校、大学と使ってきているのに最初からそんな能力が備わっていたと思いにくかった。

それは私が念力を使えることを知ったきっかけを思い出すとよくわかる。

当時、大学に上がりたてで課題でわからないところがあってうーんと悩んでいたところ、目前にあるシャープペンシルが浮遊したことが発端だ。

それからというもの身の回りの小物を浮遊させたり、少し重いものを浮遊させてみた。

さすがに車みたいな重すぎるものは持ち上げられないけれど、自分で自分の体を浮かせることができたので、人間一人くらいの重さなら持ち上げるのは造作もないことのように思えた。

この事実を友人一人に打ち明けてみると、それって魔物がヘアゴムに宿っているんじゃないのかといわれて心底動揺した。

魔物の魔力を消費して念力を実現させているとして、その力は有限でありいつかは力が尽きる時がくるというのだ。

だがあれから1か月経っているし、ほぼ毎日のように念力を使っているから、魔力の残量なんてもしかしてもともとないのか、勝手に回復するものなのではと思ってしまった。

その見当は当たって、後日念力を使いまくって何も持ち上げられなくなったので、それを魔力の残量なしと考えた。

その次の日は普通に念力でものを持ち上げることに成功していた。

「念力をよく使っているようだが、調子はどうだ?」

いつしかヘアゴムが話しかけてくるようになったから私はびっくりした。

「良好よなんでも一日経てば何度も念力を使えるもの。」

「それは使用者の生命が尽きない限りずっと生き続ける力だ。」

「それって使用者の力を糧にしているってこと?」

「そういったことはない、力の源は不思議とないのが特徴だ。」

それを知った私は積極的に念力を使うことを決意した。

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掌編小説私色日記Ⅱ
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