「おばあちゃん、今日もきれいな花がたくさん並んでるね!」
あかりは、明いる笑顔で店に入ってきた。
みどりは微笑みながら言った。
「あら、あかりちゃん、いらっしゃい。今日はどんな花が気になるの?」
あかりは指をくるくると回しながら考え込んでいる様子だった。
「うーん、やっぱりバラがいいな。でも、チューリップも可愛いし、ユリも素敵だし…迷っちゃう!」
みどりは思わず笑いながら、あかりの迷いに寄り添った。
「花は、どれも特別なんだよ。それぞれに想いが込められているからね。」
あかりは頷きながら言った。
「そうだよね、おばあちゃん。花って、みんなに笑顔を届ける力があるんだもんね。」
みどりは優しい目であかりを見つめ
「あかりちゃんも、花に笑顔を届ける力を持っていると思うよ。」
あかりは目を輝かせて言った。
「私も、おばあちゃんみたいな花屋さんになりたい!」
みどりは驚いたような表情を浮かべながら、あかりの夢に胸が熱くなった。
「そうか、あかりちゃんは花が好きなんだね。将来は、きっと素敵な花屋さんになれるよ。」
そんなあかりとみどりの交流は、日々深まっていった。
あかりは放課後によく店に立ち寄り、みどりに花の手入れや花言葉を教えてもらった。
そして、みどりもあかりの存在に励まされながら、少しずつ心を開いていった。
ある日、あかりはみどりに提案した。
「おばあちゃん、SNSでお店の花や日常の出来事を投稿したら、もっとたくさんの人に知ってもらえるかもしれないよ!」
みどりは驚いたが、あかりのアイデアに興味を持った。
「それはいいアイデアだね。やってみようかな。」
二人は一緒に写真を撮り、花の魅力を伝える投稿を始めた。
すると、徐々にフォロワーが増え、地域の人々が店に興味を持ち始めた。
クリスマスが近づく頃、あかりの学校では「大切な人へ贈る花」というプロジェクトが行われることになった。
あかりはみどりの助けを借りながら、クラスメイトたちと一緒に花束作りを学んでいった。
プロジェクトの成功をきっかけに、みどりの花屋「フラワーみどり」は地域のイベントで注目を浴びるようになった。
みどりの温かな人柄と花への愛情が評判を呼び、少しずつ店は活気を取り戻していった。
そして、商店街の花飾りコンテストが開催されることになった。
みどりはあかりと地域の人々の協力を得て、美しい花の装飾を作り上げ、見事優勝を果たした。
「フラワーみどり」は地域の人々の憩いの場となり、みどりとあかりの絆はますます深まった。
あかりは将来の夢として
「おばあちゃんみどりのような花屋さんになりたい」
と語った。
これからも、みどりとあかりは共に花を愛し、笑顔を届け続けるのだった。
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