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Webルーレット

ルーレットweb 掌編小説

「よーし、今日もお金稼がなきゃ」と、主人公のユウスケはパソコンの前に座る。

ユウスケはフリーランスのエンジニアで、仕事はかなり忙しい。

しかし、この時期になると、彼は必ずと言っていいほど、ある場所に行く。

それは、ネットカフェのブース。そこでユウスケは、自分の得意技であるWebアプリケーションを使った、自分だけのルーレットゲームを開発していたのだ。

彼が開発したルーレットは、その場で遊んでいる人たちが、ユウスケが提供する広告をクリックすることで、彼に報酬を与えるというもの。彼はこのルーレットで、毎月の生活費を稼いでいた。

しかし、この日も、彼の目的は報酬を得ることではなかった。

彼はこのルーレットを、一つの実験台として使い、人間の心理学的な反応を調べていた。

彼は、ルーレットの結果によって、人々がどのような反応をするかを見て、自分の研究に活かそうとしていた。

ユウスケがルーレットを回すと、画面には、今回は

「野球観戦チケットが当たる!」

という文字が表示された。

「ふふふ、どうなることやら」

と、ユウスケはルーレットに期待しながら、次のクリックをする。

すると、画面には

「残念、外れです」

という文字が表示された。

「うーん、残念だな」

と、ユウスケは小さくため息をついた。

しかし、彼はこの結果に対して、驚くべき反応を示した。

「なるほど、これでいいかもしれない」

と彼は考えた。彼は、外れたことに対して、少しホッとしたような表情を浮かべた。

彼は、彼が研究しているのは、人間の心理学的な反応であることを忘れていた。

人々は、期待と失望を感じることで、刺激を求めるということを。

彼は、彼が研究することができるものが、まだまだたくさんあることを知った。

ルーレットの結果が、彼の研究のさらなる深化につながることを、彼は確信したのだった。

その後、数日が過ぎた。ユウスケはルーレットでの研究を深め、さらに多くの人々の反応を観察することに熱中していた。彼は、ルーレットに新しい仕掛けを取り入れ、より興味深い結果を得ようとしていた。

しかし、ある日、彼がルーレットを回したところ、画面には

「おめでとうございます!あなたは当選者です!」

という文字が表示された。

驚きのあまり、彼はパソコンの前で何も言えずにいた。

彼は、当たることを期待していたわけではなかったのだ。

しばらくして、彼は手が震えながら、当選のお知らせを受け取った。

彼が当選したのは、なんと野球の試合であった。

彼は、自分が開発したルーレットで当選したことに、さらなる驚きを隠しきれなかった。

しかし、その後の彼の行動は、誰もが予想していなかった。

彼は、当選したチケットを使って野球観戦に行かず、代わりにネットカフェに向かったのだ。

彼は、ルーレットで得た報酬を使い、新しいアプリケーションを開発していた。

彼は、野球観戦に行くことよりも、自分の好きなことに時間を使いたかったのだ。

そして、彼が開発したアプリケーションは、大きな成功を収めた。

彼は、自分が研究していた人間の心理学的な反応を、より深く理解することができたのだった。

ユウスケは、自分のルーレットが、彼の人生を大きく変えるきっかけとなったことを知った。

そして、彼は、自分が研究していることが、自分自身にとっても意味のあるものであることを確信したのだった。

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掌編小説私色日記Ⅱ
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