恭子と健二は学校帰りに公園で待ち合わせをしていた。夕方の公園は人通りも少なく、穏やかな風が吹き抜けていた。
「恭子、今日はどんな一日だった？」
恭子は微笑みながら答えた。
「うん、特に変わったことはなかったよ。でもね、最近ずっと考えてることがあるんだ。」
「何だろう？教えてくれないか？」
恭子は静かに吐息をついた。彼女の目には少し悩みが浮かんでいるように見えた。
「人生って、なんだか迷路みたいだよね。いつも正しい道を選べる自信がないし、進むべき道が見えない時もある。」
健二は思い詰めた表情で恭子を見つめた。
「そうかもしれないけど、でも迷路だって踏み外すこともあるし、間違った道を選んでも戻ることもできるんだよ。大切なのは、迷いながらも前に進む勇気だと思う。」
恭子は少し安心したように微笑んだ。
「そうだね、健二の言う通りだよ。でも、どうしても不安になる時があって…」
健二は恭子の手を優しく握りしめた。
「大丈夫、僕たち一緒に迷路を進んでいけばいいんだ。迷ったら手を取り合って、一緒に道を見つけよう。」
恭子は健二の言葉に励まされ、心が少し軽くなった気がした。
「ありがとう、健二。本当に心強いよ。」
二人は公園のベンチに腰を下ろし、夕日を眺めながら話し続けた。彼らはお互いの夢や希望、迷いを分かち合いながら、互いに支え合っていくことの大切さを再確認した。
「恭子、迷路に迷い込んでも、絶対に諦めないでね。僕と一緒にいれば、どんな困難も乗り越えられるから。」
健二の優しい言葉に恭子は心から感謝し、彼に寄り添って微笑んだ。
「そうだね、私たちなら絶対に諦めない。一緒に進もう、健二。」
二人は手を取り合って立ち上がり、夕日が沈む風景を背にして歩き出した。彼らは迷路の中で互いを支え合いながら、自分たちの人生を切り拓いていく決意を新たにしたのだった。
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