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レーザー絵画販売

絵画 掌編小説

近年NFTという技術が話題となり、仮想現実の中に美術品を保管して楽しむといった動きが巷では有名になっていた。

日本での知名度というと全体のわずか4%に満たないという1割もないという悲惨な結果となっているが、それでいても市場価値は高く、海外では1割以上を超えるシェア率となっている。

もしアニメや二次元の類が大好きなイメージのある、いわばコミックマーケットで3億円の売り上げを誇る日本でNFTが知名度を上げればかなりの経済循環となることは間違えはないが、実体がないという点から触れられないことへの虚無感が己を支配し、その世界に足を踏み出せないものもいるかもしれない。

私もその一人であった。

だからこそ私はレーザー絵画販売という技術を用いて指定した絵画の画像を買い取り、それをレーザーにより具現化するという手法を行って、手で触れることのできる美術品を買いそろえて優越感に浸っている。

不要になればまたレーザーで焼いて、跡形もなくなくすことが可能だ。

時代やその時の趣味趣向にあわせて作品を具現化し、私は美術品と毎日をともにしている。

美術品に囲まれることで、NFTにはない絵画の肌触りや、絵具独特の立体感、色味を完全に読み取ることができる。

そしてなにより紙と絵具の臭気が私が好きなのだ。

作品がその場にあるという感覚があることで、私には資産があるということを間接的にでも伝えてくれる。

災害時もいつもそばにいてくれる。

そんな上質で有限の存在を私は高く評価している。

もともとこのレーザーによる絵画の具現化は、絵画だけに限ったものではなく、3Dプリンタのような仕組みであるため、3Dモデルを現実に呼び出すことだって可能だ。

もっと言ってしまえば家を作れてしまう代物なのだ。

それでいても私が家を建造しない理由は、耐久性の問題を考慮しているからに過ぎない。

建築に関する知識に疎い。

それだったら誰かに頼めばよいのではと思うところだが、このレーザー機器に関しての説明は難関で専門用語なしにかみ砕いて説明することができなかった。

言い訳のように聞こえるかもしれないが、家は元ある建造物で事足りると思うようにしている。

美術作品に埋もれる毎日を送っている私は、もはや脳は快楽に溺れているかのような状態で、もう物欲の限りを尽くしているので、ものなしでは生きていけないようだ。

画像を買い取ったのだから私が私用目的でどう使おうと勝手と考えればそれまでだが、商用はさすがに手は伸びなかった。

捕まりたくないし、まだたくさんの美術作品と日々を謳歌したいからだ。

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