個人再生は、借金の返済が困難になった人が一定の条件を満たすことで、債務の一部を減額し、生活を再建するための法的手続きです。しかし、多くの方が「個人再生にはどのくらいの時間がかかるのか?」と疑問を持つでしょう。
本記事では、個人再生の一般的な手続きの流れと、それぞれの段階にかかる期間について詳しく解説します。
個人再生の手続きの流れと期間

1. 事前相談から申立てまで(1〜3ヶ月)
個人再生を進めるためには、まず弁護士や司法書士に相談することが重要です。この段階では、以下の手続きが含まれます。
- 弁護士・司法書士との初回相談
- 必要書類の収集(収入証明、借入先一覧、家計の状況など)
- 再生計画案の作成
- 裁判所への申立て
このプロセスは、個々の状況によって異なりますが、一般的には1〜3ヶ月程度かかります。
2. 申立てから開始決定まで(1〜2ヶ月)
裁判所に個人再生の申し立てを行うと、裁判所が審査を行います。必要に応じて、保全処分が下されることもあります。
- 裁判所による書類審査
- 保全処分(必要な場合)
- 個人再生手続きの開始決定
通常、裁判所の審査には1〜2ヶ月ほどかかります。
3. 債権者集会から認可決定まで(2〜3ヶ月)
個人再生の開始決定後は、債権者に通知が送られ、再生計画案の審査が行われます。
- 債権者への通知
- 債権者集会の開催(必要に応じて)
- 再生計画案の提出・審査
- 裁判所による認可決定
この段階では、債権者との調整や裁判所の判断により、2〜3ヶ月の期間を要します。
4. 弁済計画の実行(3〜5年)
裁判所から再生計画が認可されると、実際の返済が始まります。
- 月々の返済開始
- 定期的な生活状況報告(必要な場合)
- 返済期間は通常3年、最大5年まで延長可能
この段階が最も長く、最低でも3年、最長で5年の期間が必要です。
個人再生にかかる時間のまとめ
手続きの段階 | 期間の目安 |
---|---|
事前相談〜申立て | 1〜3ヶ月 |
申立て〜開始決定 | 1〜2ヶ月 |
債権者集会〜認可決定 | 2〜3ヶ月 |
弁済計画の実行 | 3〜5年 |
申立てから認可決定までは約6〜8ヶ月、その後の弁済期間を含めると3年半〜5年半が必要になります。
個人再生の期間が延びる要因

個人再生の期間は状況によって前後することがあります。以下の要因により、手続きが長引く可能性があります。
- 必要書類の準備に時間がかかる
- 債権者との交渉が難航する
- 裁判所の処理が混雑している
- 収入や家計の状況が安定していないため、追加の確認が必要になる
これらの要因をできるだけ回避するためには、弁護士や司法書士と綿密に相談し、スムーズに手続きを進めることが重要です。
まとめ:個人再生は時間がかかるが、生活再建のチャンス
個人再生の手続きは、申し立てから認可決定まで約6〜8ヶ月、その後の弁済期間を含めると3年以上の時間がかかります。しかし、計画通りに進めば、借金の大幅な減額と生活再建が可能になります。
個人再生は時間を要する手続きですが、新たな人生のスタートを切るための大切なステップです。焦らず、専門家と協力しながら着実に進めていきましょう。
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