近年、インターネットの世界で急速にその存在感を増しているVtuber(バーチャルYouTuber)やVライバー(バーチャルライバー)。彼らは、個性豊かなアバターを介して視聴者と交流し、歌やゲーム、雑談など多岐にわたるコンテンツを提供することで、多くの人々を魅了しています。その活動は、単なるエンターテイメントの枠を超え、新たなコミュニケーションの形や自己表現の場として、無限の可能性を秘めています。
本記事では、数多いるVライバーの中でも特に異彩を放つ存在、白黒きんぎょさんに焦点を当て、彼女のVライバーとしての活動、そして聴覚障害という個性と共に歩むライバー人生について深掘りしていきます。彼女の言葉から、Vライバー活動の光と影、そして困難を乗り越える強さの源泉を探ります。
- 白黒きんぎょ:多才なVライバーの軌跡と魅力
- インタビュー:白黒きんぎょが語るVライバーの光と影
- 1. Vライバーを始めたきっかけは何ですか?
- 2. 聴覚障害をお持ちですが、いままでそれが原因でライバー活動で大変だったこと、苦労したことについて教えてください
- 3. 生きている間に成し遂げたいことを思いつく限り上げてください
- 4. 障害者は差別を受けやすい対象としての立ち位置ですがそのよう中でどう強く振る舞ってきましたか?
- 5.配信プラットフォームを今まで何度も変えてきたと思いますが、それでもついてきてくれるリスナーさんたちに伝えたい想いを教えてください
- 6. 本音として何歳まで生きたいですか?またそこまでライバーとして続ける気はありますか?
- 7. 1000プリの最初のトップライバーとして活躍されていた時と、今と、気持ち的に楽でリスナーとの距離が近くなれた、仲良くなれたと思えるのはどちらの時期だったと思いますか?
- 8. 今後もみんなの嫁でいてくれますか?
- まとめ:白黒きんぎょさんのVライバー人生から学ぶもの
白黒きんぎょ:多才なVライバーの軌跡と魅力

白黒きんぎょさんは、そのユニークな経歴と親しみやすいキャラクターで注目を集めるVライバーです。Vライバーとしての活動に加えて、漫画家や占い師としての顔も持つ、まさにマルチタレント。ここでは、彼女のVライバー・Vtuberとしての活動を中心に、その魅力と軌跡を深掘りします。
Vライバー・Vtuberとしての白黒きんぎょ


白黒きんぎょさんは、自らを「大型新人Vライバー」と称し、歌や配信を通じて精力的にファンと交流しています。喘息と闘いながらもエネルギッシュな活動を続け、その努力は数々の実績に繋がっています。
特に注目すべきは、バナイベでのトップ成績です。この成果は、1000プリ事務所所属の時の結果とはいえ、彼女のパフォーマンススキルと、ファンとの強固な絆を物語っています。また、きんぎょさんのインタビューでは、コミュニティとの絆の重要性を熱く語っており、ファンを大切にする「プリンセス魂」が彼女の活動の根底にあることが伺えます。
さらに、看板Vに抜擢された経験もあり、その親しみやすいキャラクターで多くのファンを魅了しています。配信での交流タイムやインタビューを通じて、飾らない人柄が垣間見え、それが彼女の大きな魅力の一つとなっています。
漫画家・占い師としての顔
Vライバーとしての活動と並行して、白黒きんぎょさんは漫画家としての経歴も持ち合わせています。具体的な作品名などは公開されていませんが、彼女のプロフィールやX(旧Twitter)の投稿からは、そのクリエイティブな才能がうかがえます。ファンアートやイラスト制作にも積極的で、Vライバーとしての表現活動にもこの経験が活かされていることは想像に難くありません。
また、占い師としての活動経験も持つ白黒きんぎょさん。詳細な占術や活動期間は不明ですが、多岐にわたる経験が彼女の深い洞察力や共感力に繋がっている可能性があります。こうした多様な経験が、Vライバーとしての奥行きや、リスナーとの多角的なコミュニケーションに繋がっているのかもしれません。
白黒きんぎょを形作る「プリンセス魂」
白黒きんぎょさんの活動を語る上で欠かせないのが、彼女が大切にしている「プリンセス魂」です。これは、マイノリティーを尊重する姿勢や、ファンとの温かい交流を重視する彼女のスタンスを表しています。
常に周囲への感謝を忘れず、カナちゃんやタラちゃんといった仲間への感謝を公言するなど、コミュニティ全体を大切にする姿勢が、彼女の活動をより豊かなものにしています。彼女の周りには、いつも温かい繋がりが広がっており、それが白黒きんぎょさんのVライバーとしての存在感をより一層高めています。
インタビュー:白黒きんぎょが語るVライバーの光と影
2025年8月1日に開催された、かまの悠作&白黒きんぎょさんの公開スペースでの、白黒きんぎょさんとのインタビューのやり取りをまとめました。

1. Vライバーを始めたきっかけは何ですか?

ライバーを始める前は、探偵、売れない漫画家、占い師をやっていたそうです。
その中で、縁があって共同経営で探偵業を始めたのですが、代表が暗黒の闇に飲まれてしまった。
そのときに白黒きんぎょさんはクビ同然の状態に陥り、このままじゃ食べていけないことを悟った。
その時にリアリティのCMをX(旧Twitter)で発見。
これがライバーになるきっかけだったと語っています。
元はVtuberに憧れていて、自分なりに調べるものの、お金がかかるし、絵は描けるかもしれないけれど、LIVE2Dとかのプログラムやモデリングの部分が自分の特性上考えるのが苦手で「これは厳しい!!」と思ったそうです。
そこからVを見るたびに拒絶反応が出るように・・・。意図的に目をそらすようになってしまったとか。その常識を覆したのがリアリティ。
パーツの組み換え(カスタマイズ)がスマホ一つでできて、キャラクターがめちゃくちゃかわいいと思った。その時(8月2日)にVライバーをやってみようと思ったそうです。
その後10月に事務所から声がかかったそうです。今思えば悪徳な事務所だったと語りますが、当時はスカウトが来るということ自体がうれしかった様子。
そこからIRIAMへ移行したとのこと。
2. 聴覚障害をお持ちですが、いままでそれが原因でライバー活動で大変だったこと、苦労したことについて教えてください
聴覚障害が原因でライバー活動で大変だったことや苦労したことは「ありがたいことに、ない」と白黒きんぎょさんは語りました。歌唱力に自信を持っているのではなく、自分は聞こえないなりに工夫して頑張ってる、安心して配信できるという環境をリスナー(旦那様)が作ってくれているという状況。
配信を始める前の「マイナス5億8千万ポイント」あった人生を、リスナーが「それでもいいんだよ大丈夫だよ」と支えてくれたことで、「耳が聞こえないことに関しては本当に(苦労が)ない」と話しました。しかし、リスナーとしては、ネイティブな会話の聞き取りに苦労したり、プロフィールに聴覚障害があることを記載していることで、かえってリス活の時に配信者に気を遣わせてしまうことに申し訳なさを感じることはあったと述べました。過去には、障害公言するのは「同情を買うやり方」「そこまでして上(のランク)に上がりたかったのか?」と批判された経験もあり、そちらの方が傷ついたとも明かしました。今は障害があるからこそ、素敵な皆さんに出会えたと思っています。
3. 生きている間に成し遂げたいことを思いつく限り上げてください
ライバーとして成し遂げたいことは「めちゃくちゃある」と前置きし、最近では新しいレーベルや事務所の「看板V」として大抜擢されたため、その事務所を盛り上げたい、恩返ししたいという目標を挙げました。そして、変わらない目標として以下の3点を挙げました。
- ライブをやりたい: 歌を多くの人に聞いてほしいという願望を語りました。
- リスナーを元気にしたい: 自分の声や配信を通じて、リスナーが「明日も頑張るか」と思ったり、「とりあえず今日生きようかな」と思ってくれる人が増えてほしいと述べました。
- 誰かの居場所になりたい: リスナーが自分にとっての「居場所」であるように、自分も誰かの居場所となり、その人の人生を彩る存在になりたいと語りました。
物欲として良いマイクで配信したいなどの希望も挙げつつも、最終的には「誰かの居場所になりたい」という思いが一番だと強調しました。
4. 障害者は差別を受けやすい対象としての立ち位置ですがそのよう中でどう強く振る舞ってきましたか?
障害者として差別を受けやすい立ち位置で「どう強く振る舞って生きてきたか」という質問に対し、白黒きんぎょさんは「めちゃくちゃ負けず嫌い」であるため、強く振る舞ってきたと認めました。心ない言葉を投げかける人がいても、「歌を聴いてくれる時があるから『どうでしたかどやぁ』みたいな」感じの雰囲気を出していた。さらに影での努力を重ねてきたことを明かしました。弱者であると舐められるというイメージがあり、マイナスに見られることがデフォルトに見られて、「○○だから仕方ない」と言われることも嫌だし、お金にも代えられないかけがえのない時間を使って配信を見に来てくれる人がいる中で冷やかしをされたこともあるそうです。
それでも、強くありたいと強がる努力をしていた。今後もそのような感じでいくと思いますと語った。
「絶対隙がないようにやろうと思ってやってきた」。歌の練習と同様に、弱点を見せないようにやってきた。
5.配信プラットフォームを今まで何度も変えてきたと思いますが、それでもついてきてくれるリスナーさんたちに伝えたい想いを教えてください
度重なる配信プラットフォームの変更にもついてきてくれたリスナーには「I love you」「何を言っても薄っぺらくて『ありがとう』っていう言葉以上にないのかなって言葉を探しても表せないぐらいの感謝しかない」と、計り知れない感謝の気持ちを伝えました。新しいプラットフォームに移る際も、リスナーが「今は行かない方がいい」と助言してくれたり、「ついていくから好きにやってみな」と背中を押してくれたことが心強かったと述べました。特にカラーシングへ移籍する際には、2週間〜1ヶ月以内にレベル25に到達しないと配信権を剥奪されるという厳しい条件があったにもかかわらず、リスナーがその達成を支えてくれたことに感謝しました。
6. 本音として何歳まで生きたいですか?またそこまでライバーとして続ける気はありますか?
「何歳まで生きたいか」という問いに対し、白黒きんぎょさんは「ずっと生きたい」「生きれるんだったら本当に生きたい」と答えました。病気を抱えている身として、明日は平等ではないという考えを持ち、だからこそ「生きたい」という気持ちが強いと述べました。ライバー活動についても、「みんなに絶滅されたくないけど絶滅するまでやりたい。なんならその人たちが子孫がいるんだったら子孫がまた繁栄するまで見守ってめっちゃ励まして人生並走したいぐらいやりたい」と、どこまでもリスナーと共に歩んでいきたいという強い意志を示しました。
7. 1000プリの最初のトップライバーとして活躍されていた時と、今と、気持ち的に楽でリスナーとの距離が近くなれた、仲良くなれたと思えるのはどちらの時期だったと思いますか?
前事務所(IRIAM)でのトップライバーとしての活動と現在の気持ちを比較し、「どっちが楽というのは今もない」と述べました。トップライバーとして「君臨」していた時期は、攻撃されることも多く、リスナーに守ってもらいながら活動していたと振り返りました。しかし、現在のリスナーとの関係は「今の方が絶対いい」と断言し、それは「本当に素敵な人にしか囲まれてないから」だと語りました。リスナーの元を自分が去る「卒業」の際には「目を切るように言いたい」と表現し、リスナーとの絆の深さを伺わせました。
8. 今後もみんなの嫁でいてくれますか?
「今後もみんなの嫁でいてくれますか?」という質問に対し、白黒きんぎょさんは「いさせてくださーい!」「もうね、みんな好きなんだもん、みんなみんな癖があって一人一人大好き」と、力強く肯定しました。嫁と言ってくれる方には、嫁でいさせてほしいとのこと。リスナー一人ひとりの個性を愛しており、「その他大勢」としてではなく「一人一人を見てる」と語りました。リスナーが「卒業」する際には理由を伝えてくれるため、「大泣きする日もあれば、みんなに慰めてもらう日もある」と、深い絆があるからこその感情であることを明かしました。今後どれだけ活動規模が大きくなっても、「個人個人を見る心は絶対忘れたくないし、こうやって交流する場所は絶対取りたい」と述べ、常にリスナーに寄り添い続ける姿勢を示しました。
まとめ:白黒きんぎょさんのVライバー人生から学ぶもの
白黒きんぎょさんのインタビューを通して浮かび上がるのは、困難や障壁を乗り越え、自分らしさを武器に道を切り開いていくVライバーの姿です。聴覚障害や喘息といった身体的な制約があっても、それを個性として受け入れ、むしろ強みに変えていく彼女の姿勢は、多くの人々に勇気を与えるものでしょう。
また、ファンとの絆を何よりも大切にする彼女の姿勢は、デジタル時代における新しいコミュニケーションの形を示しています。プラットフォームが変わっても、「一人一人を見る心」を忘れない姿勢こそが、長く愛されるVライバーとしての秘訣なのかもしれません。
白黒きんぎょさんの言葉からは、Vライバーとしての活動が単なる職業ではなく、ファンと共に歩む人生そのものであることが伝わってきます。そして、その活動を通じて、彼女自身も成長し、より深い絆を築いていることが感じられます。
これからのVライバー業界がさらに発展していく中で、白黒きんぎょさんのような個性的で誠実なクリエイターの存在は、この文化をより豊かで多様なものにしていくでしょう。彼女の今後の活躍に、さらなる注目が集まることは間違いありません。
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