幸運の少年と不幸の少女

あのまぶしく爽やかな人に会ったのは実に一年ほど前になる。

私が自分がいるだけで回りを不幸にしてしまう負のオーラを纏っていたのは生まれつきのことだった。

そんな私を持ってしまった私の家計は日々すり減って崩壊していった。

そのような状況下だから両親は物事がどうやってもうまくいかないことに腹を立てていた。

いつしかその原因を探った末、不幸になったのは私が生まれてからだということに気づく。

そしてその日から八つ当たりのように冷たい言葉をぶつけるようになっていった。

日に日に私の心は黒煙に覆われ、空を見てもいつも曇って映っていた。

色なき世界。

私はそう呼称していた。

夢も希望もなく、慣れ親しんだ友達もいなく、ただひたすらに毎日を懸命に生きていた。

学校ではこんな私は空気同然で回りからすると私は無関心のようだ。

誰一人として私を知る者はいなく、教室にいつもポツリと一人で過ごす毎日。

縋るものさえ脳裏に浮かばない。

家に帰りたくない。

でも時間になったら帰らなくちゃいけない。

帰宅すればまた地獄の空間に身を置くことになる。

そう思うとなんだか毎日が気怠く感じていた。

そんな毎日を送っていたある日、どういう風の吹きまわしか、私に話しかけてきたやつがいた。

声のトーン的に男子かな。

その子は風貌も名前も良く知っていた。

だってクラスの中心で人気の高い、元気で明るみに満ちた存在だったから強く印象に残っている。

そんな子が私に何の用だろうか。

私は何か用?と問うた。

するとなんかいつも寂しそうな顔をしていたから話しかけてみたと言った。

彼は私の救済でも狙っているのだろうか。

子供の力では大人に対して到底かないっこない。

子供にできることはほんの些細なことだけなんだ。

私を助けても何の得もないと返すと、彼は首を左右に振った。

あるさ、君と友達になれる。

これが私と彼との友達になったきっかけだった。

その子と友達になって行動を共にしていくうちに、私はあることに気が付いた。

不幸だと思うことが不思議となくなったのだ。

まるで魔法をかけられたみたいに。

ある日彼に私の今までの人生について語った。

すると、彼はやっぱりと言って、話を切り出した。

「僕は生まれつき何をしても恵まれた環境下にいたんだ。
くじでも一等ばかり引くし、無事故で健康的な身体でずっときたんだ。
つまりね、僕は強運な人だった。」

それとは裏腹な私に自分の力を貸したというのだろうか。

「君に会ってから初めて僕は二等を引けたんだよ。
きっと中和されたんだろうね。
僕と君は正反対な人生を歩んできたんだと考えると、君とずっと一緒にいてあげたほうが幸せなんじゃないかって思ったんだ。」

私は・・・。

言いたいことはたくさんあるのに言葉が喉につっかえる。

「何も言わなくていい。
僕が君をパートナーに選んだんだから。」

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